五月の光は、ただ明るいだけで、何も約束しない。
さつきばれの空は、やけに澄んでいて、こちらの感情など透かしてしまう。
風は軽く、リネンの袖をすり抜ける。
何かを期待していた気配だけが、遅れて消えていく。
恋は、やはり無し。
その言葉は、思ったよりもやわらかくて、
少しだけ甘い...
五月の光は、ただ明るいだけで、何も約束しない。
さつきばれの空は、やけに澄んでいて、こちらの感情など透かしてしまう。
風は軽く、リネンの袖をすり抜ける。
何かを期待していた気配だけが、遅れて消えていく。
恋は、やはり無し。
その言葉は、思ったよりもやわらかくて、
少しだけ甘い...
今日もわたしは存在してしまった。
謝罪先が見当たらないので、紅茶を淹れた。
ダージリンではなかった、わたしが求めていたものは。
何だったのかは、不明。
鏡と十七分、対峙した。
負けた。
(鏡には目がない。)
雨が降った。
わたしへの雨だけが、わずかに文学的だった。
これを傲慢と呼ぶ...
懐かしい匂いっちゅうんはな、
記憶の奥でそっとほどけていくもんや。
目に見えへんのに、ちゃんとここにおるんやで。 雨あがりの土の匂いに、ちっちゃい頃の帰り道が混ざっとる。
ちょっと湿った制服、遠くから呼ぶ声、まだ何も知らんかった未来。 台所から流れてくる出汁の匂いは、時間を巻き戻してまう。
...
このバカチンが、
と あなたは言った。
怒鳴るでもなく
突き放すでもなく
まるで
落とした手袋を拾うみたいに
そっと。
わかってるよ、
と答えた声は
少し震えて
少し笑って
まだ どこにも行けないまま
ここに立っていた。
このバカチンが、
その言葉の奥に
...
揺れは終わった
街はそのまま残っている 何も壊れていないのに
何も守られてもいない 遠くの砂が空を覆って
ここにいる理由もないまま
同じ夜が落ちてくる 誰が決めたわけでもないのに
壊れるものと
残るものが分かれていく 意味はどこにもない それでも朝は来る 選ばれたわけでもないのに
また...