トンネルを抜けた先の
山あいの町
親類の集まった
祖父母の家で
お昼を回り
陽射しが厳しくなる頃
どこか涼しげな器に
スイカが置かれる
庭を眺めながら
並んで座り
皆でほお張りながら
夕暮れを待つ
いつしか涼の染みる
ひと時の思い出
トンネルを抜けた先の
山あいの町
親類の集まった
祖父母の家で
お昼を回り
陽射しが厳しくなる頃
どこか涼しげな器に
スイカが置かれる
庭を眺めながら
並んで座り
皆でほお張りながら
夕暮れを待つ
いつしか涼の染みる
ひと時の思い出
ザアアアアアア
ザアアアアアア
しぶきを上げて
川が流れている
ジーワジーワ
ジーワジーワ
川岸の木立に
蝉の鳴き声が響いている
訪れた一家は
お墓参りだろうか
真昼の
川沿いの墓地は
せせらぎに
鳴き声
それから
高い日に照らされて
静寂と賑わ...
日の高いのは
毎年のこと
変わらず聞こえる
蝉たちの声
坂道を登れば緑を放つ
山に面して墓石が並ぶ
眩しさの中を歩めば
鮮やかな花々
赤と白との提灯に
香の煙が舞う
手桶の水
新しい花
蝋燭
お線香
故人を思い
掌を合わせる
ささやかな倖せ...
夜空にどおんと打ち上げられて
くるくる回って弾け跳ぶ
綺麗に散らすは炎の花と
ふわふわと舞う残り火と
忘れた頃に広がった
夜空を覆う白い雲
風の力を借りたなら
ふわりと遠くに流されて
次に弾けるお花の種に
綺麗な舞台を用意する
鮮やかに舞う花びらと
しんと広がる...
フェンスに沿って
シャキシャキシャキ
梯子をかけて
パチパチパチ
道にはみ出た大きな枝が
しゅっと刈られてこじんまり
お空の見晴らし
小鳥の心地
それから
人の佇む木陰
混み合い過ぎず
荒過ぎず
適度に掛ける
木漏れ日のお手入れ