ぼくらは言う。
「ぼくたち、何ひとつ悔いていません。悔いることなんか、何もないんです」
長い沈黙ののち、彼が言う。
「私はね、窓から何もかも見たのだよ。あの一切れのパン……。しかし、懲罰は神だけの権限なのだ。おまえたちに、神の代理を務める資格はない」
ぼくらは黙っている。
...
愛と平和を
ぼくらは言う。
「ぼくたち、何ひとつ悔いていません。悔いることなんか、何もないんです」
長い沈黙ののち、彼が言う。
「私はね、窓から何もかも見たのだよ。あの一切れのパン……。しかし、懲罰は神だけの権限なのだ。おまえたちに、神の代理を務める資格はない」
ぼくらは黙っている。
...
あんなひどいことを言うつもりじゃなかった、と言って聖は泣いた。
わたしは違うの、と言って、あなたは何も間違ったことを言っていない、わたしが悪いのと言って、わたしの腕をさする聖の腕をさすった。
聖は、違うの、わたし意地悪になって、いつもこうなってしまうの、それでいつもだめにしてしまうの、何...
審問官は口をつぐんだあと、囚人が何と答えるか、しばらく待ち受ける。
相手の沈黙が彼には重苦しくてならない。
囚人がまっすぐ彼の目を見つめ、どうやら何一つ反駁する気もない様子で、終始静かに誠実に耳を傾けていたのが、彼にはわかっていた。
老審問官にしてみれば、たとえ苦い恐ろしいことでも...
「姉さんな、あんたにはあげる形見がなにもないから、自分が持ってる目に見えないもの、たとえば学力とか、健康とか、知識とか、ちっとはあるかもしれない才能とか、そんなものをそっくりあんたに譲っていきたいと思ったの。それにはどうすればいいかと考えているうちに、いいことを思いついた。どんなことかというとな、あ...
少女は顔を引きつらせ、涙で喉を詰まらせながら、あえぐように言った。
「これでもまだ充分ではないと言うの? あなたは永遠に私をさいなむことをやめられないの?」
不意に私はこのうえない恥辱感に包まれた。
「すまない……」
過去の言葉と行為のすべてを消してしまえたら……。
私...