自作小説倶楽部6月投稿
- カテゴリ: 自作小説
- 2024/06/30 19:37:41
「依頼人」
母がおかしくなったんです。元々しっかりした人でシングルマザーになったのも余程の理由と決意があったのだと子供心に察せられる雰囲気がありました。それでも、時々寂しそうで、私は少しでも母の慰めになろうと勉強や家の手伝いを頑張りました。やっと七歳になる私に母は学校で上手くいっているか、先生は頼り...
「依頼人」
母がおかしくなったんです。元々しっかりした人でシングルマザーになったのも余程の理由と決意があったのだと子供心に察せられる雰囲気がありました。それでも、時々寂しそうで、私は少しでも母の慰めになろうと勉強や家の手伝いを頑張りました。やっと七歳になる私に母は学校で上手くいっているか、先生は頼り...
評価★31,大鴉の啼く冬2,白夜に惑う夏3,野兎を悼む春4,青雷の光る秋5,水の葬送6,空の幻像 実在するイギリス最北端の諸島を舞台に事件に執念深く立ち向かうペレス警部と狭いコミュニティのあれこれが描かれる。時間の流れはよくわからないけど1年に2回のペースで凶悪殺人事件が起こってるようなww。事...
『記憶の大樹』
事が起きたのは6月の文化祭だった。僕の絵が盗まれたのだ。放課後に片付けのために集まった部員たちは渦巻き状の金具に残された切れ端を見つめ呆然としていた。美術部の部室に作品が展示される中、僕の絵だけがスケッチ帳から破り取られていた。教室内にいた生徒や父兄の誰も気づかぬ犯行だった。美術部と...
「黒猫と少女」
は、いけない。いけない。あたしは、窓ガラスに息を吹きかけると雑巾で拭いてゆく。窓の外には重い灰色の空が立ち塞がっていて恐ろしいように感じた。目をつむりそうになって首を振り、作業を続ける。死んだばあちゃんに「お前はぼんやりだ」と随分注意された。ばあちゃんが死んで働きに出て何年だろう。ぼ...
『蝶のいた庭』著ドット・ハチソン★1すごい話ではあるんだけど、中盤延々と殺される被害者たちの話になるし、最初「庭師が求めるもの」とぼかしてたのにあっさり「セックス」とばらすし、最終部分でヒロインの心が折れなかったもう一つの理由にかなーりうんざりした。
あらすじ取調室で語られるおぞましい事件の顛末。F...