10月期小題「裂ける/奇跡」
- カテゴリ: 自作小説
- 2014/10/27 19:32:02
「救世主よ、早くここから立ちましょう。グズグズしてたら追い付かれてしまいます」
軍が迫ってきた…殿の物見から報告を受けた族頭のルベンは、対岸に向かって座ったままのモーセに焦りの声で訴えた。早く入り江を迂回しようと言うのである。
対岸まではほんの100mほどしかないが、海水が東西に細長く...
思ったこと、感じたことの日記
「救世主よ、早くここから立ちましょう。グズグズしてたら追い付かれてしまいます」
軍が迫ってきた…殿の物見から報告を受けた族頭のルベンは、対岸に向かって座ったままのモーセに焦りの声で訴えた。早く入り江を迂回しようと言うのである。
対岸まではほんの100mほどしかないが、海水が東西に細長く...
「お母さん、“バラ”って聞いて何か思いつく事ある?」
夕飯を食べながら“バラ”と言うテーマに悩んでいた僕は、苦し紛れに母に尋ねた。
そもそも我が家では、バラどころか花全般と縁のない生活をしており、過去にもらった花束も、『花瓶がない』と言う事で使い切った...
「マキコ、あた、花は用意してあっとね?」
これから墓参りに行こうとする母に祖母が言った。
「わざわざ花はいらんでしょ。線香ば上ぐっだけでよかろもん」
普段は標準語なのに、帰郷したとたん母は思いっきり方言で喋った。私は思わずクスっと笑った。
「な~ん言いよんね。あたが盆に墓参りすっとは何十年ぶりて思と...
「お母さん、蛍ってどうして光るの?」
僕は、浴衣姿の母の腰にしがみつきながら尋ねた。
「蛍はね、星になった人たちが戻って来た姿なの。だから星のように光っているの」
母が答える横で、僕は無数に飛び回る蛍を片手で捕まえようとした。すると、母はすぐに僕をたしなめ、両手でそっと蛍を捕まえて見せた。
「蛍はね...
本日、久しぶりにインしたところ、「やあさんが、お亡くなりになられた」とのお知らせにショックを受けています。
“やあさん”は、私の作品にいつも共感するコメントを下さり、それが私の創作意欲を掻き立てる支えにもなっていましたので、『もっと作品を書いておけば…』の気持...