星と闇と、終わりの物語。【3】
- カテゴリ: 自作小説
- 2012/11/03 17:00:53
Story1 - 2
冷静になろうとしてゆっくり熱い空気を吸い込むと、すっかり焼け爛れたのどに鉄の臭いと熱気が通り抜け、鼻腔と口内に広がった。しばつく目を閉じると、なんとかしてこの状況を切り抜けるために必要なまじないを引き出しから漁る。火には水を使えば良い。でも、さっき家で読んでいたあのまじな...
未来日記所有者14thの日記。
その日の出来事が「全て」小説のように綴られている。
しかし一日一回しか未来が更新されないので、大まかな事しか解らず精密さに欠けイレギュラーに弱い。
Story1 - 2
冷静になろうとしてゆっくり熱い空気を吸い込むと、すっかり焼け爛れたのどに鉄の臭いと熱気が通り抜け、鼻腔と口内に広がった。しばつく目を閉じると、なんとかしてこの状況を切り抜けるために必要なまじないを引き出しから漁る。火には水を使えば良い。でも、さっき家で読んでいたあのまじな...
Story1
――走って、走って、走った。
「ッはぁ、はぁッ、はぁッ、はぁッ!」
もつれる脚を必死に動かして、走った。煌めく小川は蒸発し、黒炭と化した草原は、進むごとに火の粉の残滓を散らした。濃くなっていく黒煙を吸い込まないように袖で口許を押さえても、やはり少しは吸ってしまって、チリチリと焼け...
Story0
――流れよ。遥かなる地平線の彼方まで。
穏やかに差し込む陽の光が、眠気を誘う温度で少年を撫でた。ほどよく古びた木製のテーブルに広げられた、たくさんの分厚い本。頬杖を突きながら少年が眺めている本には、見ているだけで目が痛くなってきそうなほどに不思議な文体の文字たちが所狭しと並ん...
【何かしらの案】
――ぱきりと、折れた。
それは「何か」であって、「物」じゃない。あるいは目に見えなくて、あるいは形の無いモノ。要するに「もの」なんじゃないかって、そういうわけじゃなくて――
「……わか、って……た、…&he...
Story1
――傷つきたくない。痛いのは嫌だ。悲しいのは嫌だ。気分が沈むのは嫌だ。気を遣って苦しくなるのは嫌だ。嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ。でも、がまんしなきゃいけないときだってある。なら。楽しいフリだって良いじゃないか。笑っているフリだって良いじゃないか。それで一時の平和が守られるなら、谷嶋まどかは努...