Nicotto Town ニコッとタウン

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眠りの森 〜言葉の雫〜

ようこそ。ここは、胸の奥に深く沈んだ悲しみや、消えない寂しさを、一滴の水滴のようにそっと救い上げる場所です。木々が深い影を落とす静寂の森。そこは、誰にも見せられない孤独な涙や、言葉にならなかった切ない想いが静かに息づく世界です。独りきりで佇む夜、心に溢れる冷たい雫を、壊れやすいガラス細工のように大切に綴ります。果てしない寂しさに寄り添い、あなたの孤独の影をそっと包み込めますように。静かな痛みを分かち合う、終わらない夜の記録です。

借り物の言葉

カウンターの端で、奴がまた「正論」という名の毒を吐いている。
どこかの誰かが書いた本の一節か、
賢い誰かが垂れ流した流行りの理論。
一滴も汗をかかず、傷ひとつ負わずに手に入れた、
安っぽいメッキの盾だ。「合理的じゃない」「リスクが大きすぎる」
奴の舌は滑らかに、人生という戦場を整理整頓していく。
だ...

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5月のストレンジャー:沈黙の断章

五月の雨は、嘘の匂いがする。
アスファルトの熱を奪い、
昨日までの足跡を、丁寧に消していく。俺はコートの襟を立て、
ポケットの中の重みを確かめる。
それは引き金ではなく、
誰にも届かない言葉を書き留めた、古い手帳。「火を貸して」
隣に立った影が、掠れた声で囁いた。
差し出したライターの火が、
一瞬だ...

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5月のストレンジャー

五月の風は、俺のスーツをすり抜けて、
過去の疼きを冷やしていった。
窓の外、濡れたアスファルトが夕陽を吸い込み、
街は静かに、記憶の澱(おり)を吐き出す。煙草の煙、バーボンの琥珀色、
昨日までのすべては、箱に入れて海に沈めた。
この街に、俺の名前を呼ぶ奴はいない。
それがこの薄汚れた場所で、
綺麗に...

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窓のうちの風信子

あかるい窓を ひらいておけば
五月の風は ひたひたと満ちて
机のうえの ガラスの瓶に
青い火をともす 花があったそれは うたをうたふには
あまりに しづかすぎる色をして
過ぎゆく時間の きらめきのなか
誰かの溜息を 吸ひこんでいる忘れたいことが あるわけではなくて
ただ おぼえていることが かなしい...

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五月の風のなかで

しづかな林の 木もれ日のなか
白い鈴が 一列に並んでゐた
それは風が吹くたび かすかに揺れて
誰にも聞こえぬ 幸福(しあはせ)の歌をうたふ五月の朝は あまりに透きとほり
私のこころは 硝子の器のやうに
あふれる光を こぼしてばかりいる
昨日までの哀しみを どこへ隠したのだらう青い葉の影に ひそんでゐ...

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