自作小説倶楽部4月投稿
- カテゴリ: 小説/詩
- 2023/04/30 21:33:48
『忘れ物』
あ、ここだ。コンビニの帰り道、家主を失った祖母の家にまっすぐ戻る気にはなれず、遠回りして、堤防にたどり着いた。堤防の上から川を見下ろすと長い草に覆われた河川敷が広がっている。ちょうど十年前の一年間だけ祖母の家に預けられていた私の遊び場だった。こんな場所でよく遊んだな。交通量の多い表通りを...
『忘れ物』
あ、ここだ。コンビニの帰り道、家主を失った祖母の家にまっすぐ戻る気にはなれず、遠回りして、堤防にたどり着いた。堤防の上から川を見下ろすと長い草に覆われた河川敷が広がっている。ちょうど十年前の一年間だけ祖母の家に預けられていた私の遊び場だった。こんな場所でよく遊んだな。交通量の多い表通りを...
『アリスが語らないことは』あらすじアリスという女性(少女)について現在と過去が交互に描かれ、過去が現在に追いついた時、恐るべき殺人鬼が現れる。【現在】父(ビル)の死の一報を受けたハリーは大学の卒業式を欠席して実家に戻る。そこには傷心の若い義母アリスが待っていた。父の再婚には賛成したもののアリスに馴染...
『ミランダを殺す』★5 4人の男女の視点から構成される殺し合いサスペンス『ケイトが恐れるすべて』★2 ストーカーの話になる『アリスが語らないことは』★2 特殊性癖? 守備範囲の広い人々
感想3部作というわけではないが警察関係者や事件が起こる地域が共通している。『ミランダ』がとても面白く、お勧め。Pハ...
『僕と彼女の景色』
皆彼女を誤解しているんです。彼女は内気で大人しい女の子でした。いいえ。大人になった今でもそうです。派手なメイクや服装も虚勢でしかありません。初めて会った時のことは今でもよく覚えています。ぬうっと、ゴボウのお化けが僕の目の前に現れました。ぼさぼさの髪に何故か前髪だけ斜めに切り取られ...
『暗闇の声』「おやめなさい」声に思わずドライバーを握る手を止めた。 ただの老いぼれの声だ。とわかっていても後ろを振り向く気にはなれない。男の、弱弱しいがいやに暗闇に響く声だった。 同時にこんな声をしていたのかとも気付く。初めて会ったのは30年近く前、俺が伯父に引き取られた6歳の頃だがまともに言葉...
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