光の記憶、あるいは夜明けの歌
- カテゴリ: 日記
- 2026/06/16 20:49:09
I. 蛍の丘
雲はちぎれて空はみづいろに澄み
丘の小径をふりかへり見れば
草の葉末にちひさな火屋(ほや)がともる
風はなやかに木々の梢をゆするいつか失はれたあの日の約束が
もいちどめぐりくる季節のなかで
おもひでのやうに野辺をただよふ
かなしみを忘れたやうにまたたくああ それは過ぎし日の夢のあかし
...
I. 蛍の丘
雲はちぎれて空はみづいろに澄み
丘の小径をふりかへり見れば
草の葉末にちひさな火屋(ほや)がともる
風はなやかに木々の梢をゆするいつか失はれたあの日の約束が
もいちどめぐりくる季節のなかで
おもひでのやうに野辺をただよふ
かなしみを忘れたやうにまたたくああ それは過ぎし日の夢のあかし
...
雲はちぎれて空はみづいろに澄み
丘の小径をふりかへり見れば
草の葉末にちひさな火屋(ほや)がともる
風はなやかに木々の梢をゆするいつか失はれたあの日の約束が
もいちどめぐりくる季節のなかで
おもひでのやうに野辺をただよふ
かなしみを忘れたやうにまたたくああ それは過ぎし日の夢のあかし
くらい夜のしじ...
小川のせせらぎは銀のすずに似て
満月の青いひかりをくだいて流れる
くさむらの影からあふれだすものは
よるのしじまをたたくひかりのつぶひとつが燃えれば またひとつが応へ
水面のつきかげをまたいでゆく
それは見えない楽師たちのかなでる
やさしくかなしい夜の協奏曲(コンチェルト)ああ あかるい月夜のあふれ...
小川のひかりは冷たく冴えかえり
満月の青い円光にみちているのに
森の奥の 古い教会の窓からは
ただ寂しい鐘の音がひびいてくるそれは過ぎ去った日々のうたのやうに
蛍のあわいまたたきを震はせ
くらいしじまのなかへ消えゆく
一つのかなしい祈りのやうにああ あんなにも優しかったおもひでが
この夜のつめたい水...
月は西へ傾き 蛍の火も消えゆけば
廃墟の教会はあわい霧につつまれる
くづれた壁のすきまを抜ける風は
だれもいない堂内に白くあふれるあんなに悲しく響いていた鐘の音も
いまは朝のひかりのなかに溶け去り
壊れた窓からはみづいろの空が
しづかに しづかにひろがってゆくああ 夜のあいだのすべてのかなしみは
小...