Nicotto Town ニコッとタウン

スマホ版あります♪



眠りの森 〜言葉の雫〜

ようこそ。ここは、胸の奥に深く沈んだ悲しみや、消えない寂しさを、一滴の水滴のようにそっと救い上げる場所です。木々が深い影を落とす静寂の森。そこは、誰にも見せられない孤独な涙や、言葉にならなかった切ない想いが静かに息づく世界です。独りきりで佇む夜、心に溢れる冷たい雫を、壊れやすいガラス細工のように大切に綴ります。果てしない寂しさに寄り添い、あなたの孤独の影をそっと包み込めますように。静かな痛みを分かち合う、終わらない夜の記録です。

皐月の断章

五月の陽ざしは あまりに明るすぎて
窓枠に切りとられた わたしの部屋を
透きとおる 静かな水底のように沈ませる
風はときおり カーテンの裾を翻し
どこかへ わたしを連れ去ろうと誘うけれど……ああ あなたはもう この風のなかにいない
あのひ 雲雀(ひばり)の歌を聞きながら
...

>> 続きを読む


孤狼のポートレート4

錆びついたトタン屋根を、雨粒が執拗に叩いている。
無人の待合室。電球は寿命を迎え、死に際のような瞬きを繰り返していた。ベンチの端に腰を下ろすと、古い木のきしむ音が静寂を切り裂く。
ここは、どこへも行かない人間が、どこからも逃げてきた人間とすれ違う場所。
時刻表は色あせ、約束された「未来」など、最初か...

>> 続きを読む


孤狼のポートレート3

薄汚れた雑居ビルの陰で、胃の奥から酸っぱいものがせり上がる。
路地にぶちまけたのは、さっきまで耳に流し込まれていた「救い」という名の汚物だ。奴らは白い服を着て、死んだ魚のような目で、
「愛」や「慈悲」という手垢のついた言葉を呪文のように唱える。
個を殺し、意思を捨て、巨大な一つの意志(マス)に飲み込...

>> 続きを読む


孤狼のポートレート2

安い琥珀色の液体が、安物のグラスで震えている。
隣のテーブルでは、名前も知らぬ連中が「仲間」という幻想に酔いしれ、
空疎な笑い声を夜の底にぶちまけていた。群れなければ歩けない足腰なら、いっそ折ってしまえばいい。
肩を組み、傷を舐め合い、何者かになったつもりでいる。
その実、個(おの)れの形さえ見失っ...

>> 続きを読む


灰色の行進

頭上のスクリーンが「幸福」を垂れ流し
雑踏は、巨大な一つの生き物として脈動する
右へ倣えの信号に
数千の靴底が、乾いた音で同調する奴らは「和」という名の麻酔を打ち
自分の顔を、誰かの背中に預けて歩く
同じ呼吸、同じ絶望
均質化された細胞のひとつとして俺は、その流れを逆行する
肩がぶつかれば、無機質な...

>> 続きを読む





Copyright © 2026 SMILE-LAB Co., Ltd. All Rights Reserved.