Nicotto Town ニコッとタウン

スマホ版あります♪



眠りの森 〜言葉の雫〜

ようこそ。ここは、胸の奥に深く沈んだ悲しみや、消えない寂しさを、一滴の水滴のようにそっと救い上げる場所です。木々が深い影を落とす静寂の森。そこは、誰にも見せられない孤独な涙や、言葉にならなかった切ない想いが静かに息づく世界です。独りきりで佇む夜、心に溢れる冷たい雫を、壊れやすいガラス細工のように大切に綴ります。果てしない寂しさに寄り添い、あなたの孤独の影をそっと包み込めますように。静かな痛みを分かち合う、終わらない夜の記録です。

遠い追憶2

庭に散らばった赤い花弁が、月光に照らされて濡れている。
そのあまりに潔い散り際を見て、私はまた、彼女を思い出していた。母は、嵐のような女だった。
誰の手にも負えず、誰の所有物にもならず、
ただ自分だけの棘を武器に、この荒野のような街を駆け抜けた。
その唇と同じ色のバラが、今、静かに土へと還ろうとして...

>> 続きを読む


遠い追憶

風が吹くたび、庭の平穏が少しずつ剥がれ落ちていく。
土の上に散らばった赤い花弁は、
まるで、誰かがそこに置き忘れていった未練の欠片だ。「いい引き際だ」
そう呟いてみたが、喉の奥に苦い後味だけが残る。
命の盛りを駆け抜け、音もなく散っていくその赤が、
かつて隣にいた、母の生き様と重なった。強引なまでの...

>> 続きを読む


月下の紅

太陽が身を隠し、街が冷たい銀に染まる頃、
庭の片隅で、奴は真の姿を現す。
月明かりに暴かれた、毒々しいまでの赤。
「五月のバラ」なんて浮かれた呼び名は、もう似合わない。闇に紛れても隠しきれない、狂おしいほどの色彩。
それは、平穏な日常という仮面の下で、
決して冷めることのない「熱」の在り処。
触れよ...

>> 続きを読む


五月のバラ

安物のバーボンと、眠らない都会の気だるさ。
テーブルの隅、濡れたコースターの上に
捨てられた、五月のバラ。夜明け前のヴェネツィアン・ブラインド、
紫煙の匂いと、彼女の残したパフュームが混ざる。
「忘れないで」
その言葉は、まるで真夜中に撃ち込まれた弾丸のように、
静寂を破り、心臓の奥に刺さったまま抜...

>> 続きを読む


月の十字路

錆びついた街灯が、湿ったアスファルトに真鍮色の影を落とす午前二時。
煙草の煙が、月の光に絡みついて消えた。路地裏のバー「ノクターン」から漏れ聞こえるのは、
チャーリー・パーカーの『Just Friends』。
歪んだアルトサックスの旋律が、夜の帳を切り裂いていく。
急がない。_
焦らない。_
パーカ...

>> 続きを読む





Copyright © 2026 SMILE-LAB Co., Ltd. All Rights Reserved.