―――彼方は、死にたいと思ったことはありませんか?
「…」
駅のホーム。
誰も居ない、駅のホーム。
黄色い線を越えて、見つめる先は。
――パァァァァァァン
走り抜ける電車。
猛スピードで私の視界を多い尽くす、窓、窓、窓。
私の髪を舞い上げ、スカートをひらめかせ...
未来日記所有者14thの日記。
その日の出来事が「全て」小説のように綴られている。
しかし一日一回しか未来が更新されないので、大まかな事しか解らず精密さに欠けイレギュラーに弱い。
―――彼方は、死にたいと思ったことはありませんか?
「…」
駅のホーム。
誰も居ない、駅のホーム。
黄色い線を越えて、見つめる先は。
――パァァァァァァン
走り抜ける電車。
猛スピードで私の視界を多い尽くす、窓、窓、窓。
私の髪を舞い上げ、スカートをひらめかせ...
#-0
少女は言った。
「―――排除します」
短い黒のポニーテールが揺れる。
血を垂らしたような紅い制服のスカートが翻った。
風になびく空色のネクタイリボン、真っ白な半袖セーラー服の襟元に飾られた、漆黒のバッジが何か異質だった。
振り上げられる白銀の輝きを放つ二振りのライトセイバー。
...
#-プロローグ
――どうせ、お前なんて使い物にならないガラクタ―ジャンク―なんだよ。
違う。
――どうした?早くしろ。
離せ。
――泣いてるのか?薄汚いどぶねずみでも涙は出るんだな!
俺は――
――あぁ?何だその目は。お望みならばもっとジャンクにしてやるぞ、小僧。
...
やけに遠い夜空だ。
夏だと言うのに、星一つ輝いていないなんて。
涼しい夜風に吹かれ、思わず外の世界に出られたらどんなにいいだろうかと考えた。
でも、この鎖が切れることはないのだ。
「…フラン様?」
狭い城の最上階の部屋、そこから眺める景色は色褪せていた。
「何?」
...
「気をつけろ、もうすぐシャドウ族との境界線だ」
ホワイトストームが声を潜めて言った。
見習い達は足音を殺しながら白い戦士の後に続いた。
「…ネズミの匂いがするわ」
何の異常も無くシャドウ族との境界線の見回りを終えキャンプに戻る道中、サンドポーがぼそっと言った。
アイスポーも口を...