Nicotto Town



さよならの多重比喩(喪失の夜に)— 別バージョン

さよならは灯りの消えた窓辺に残る湯気のない紅茶のように静かに冷えていく
さよならは風のない夜に舞う落ち葉の記憶踏まれずに朽ちてゆく
さよならは言葉にならない言葉口にすれば崩れる雪のようにただ、手のひらで溶けていく
さよならは時計の針が止まったまま時を刻むふりをして誰にも気づかれずに過ぎていく
さよな...


さよならの多重比喩(喪失の夜に)


さよならは、時計だった。針が進むたびに、あなたの不在が確かになっていく。時は残酷に、思い出だけを正確に刻んでいく。
さよならは、枕だった。夜ごとに形を変え、あなたの温もりを探す。涙が染み込んで、眠りは浅く、夢はあなたに届かない。
さよならは、食卓だった。向かいの席が空っぽのまま、湯気だけが虚しく立...


涙の遺伝子

涙は、血に刻まれた記憶の雫。
祖母の声の震えが沈み、
父の呑み込んだ叫びが眠り、
それらが夜ごとに水脈のように滲み出す。 しずくは、静かに頬を滑る。
それは過去を解き放ち、
まだ生まれぬ者のまぶたを湿らせる。 この水は、痛みだけでできてはいない。
孤独に芽吹く草のように、
どんな荒れ地...


リュウセイ

君は
宇宙の裂け目に落ちた
泡のような光
私の心の海に
その泡を投げ込んだだけで
すべてが波紋を引き裂いて消えた 私は
その泡を拾おうと
手を伸ばした
けれど
指先は
もう 一度も届かない ┊  ┊ ┊   ┊┊  ┊ ...


・・・

本当に静かな いい天気に
少しうるさいくらいな 蝉の声が・・・


ちぎれる程 手をふる君
僕はきっと 大丈夫
悲しい程 明るい中で
君にサヨナラ・・・





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