大阪城を造ったのは誰？
豊臣秀吉！
残念でした~。答えは大工さん達で～す♪

子どもの頃に何度か聞いたやり取りです。
関西生まれの関西育ちだからかもしれません。

幼少期から習い事の発表会などで、劇場に足を運ぶ機会が多く、
今でも趣味として、観劇やコンサートなどを楽しんでいます。

世界には超一流と称えられている有名な劇場が数多くあります。
ウィーンの楽友協会、パリのオペラ座、
ニューヨークのカーネギーホールなど、数え出せばキリがありません。

日本にも素晴らしい劇場がありますし、
皆さんの身近にも、気軽に足を運べるホールなどが
いくつかあることでしょう。

世界で一番素晴らしい劇場はどこ？
私は迷わずに即答することでしょう。

それは　ミナックシアター（MInack Theatre)　です♪

英国の最南西コーンウォール地方の美しい海が一望できる野外劇場なんです。
古代ギリシャの円形競技場に近いかもしれません。

煌びやかでも、絢爛豪華でも、驚くほどの大型劇場でも、
最高の音響設備が整っているわけでもありません。
どちらかというと、飾り気のない素朴な野外劇場なのです。

では、何が世界一かというと、
その朴訥な劇場は、ロウィーナ・ケイド（Rowena Cade）という女性が
50年の年月をかけて、一人で石を運び、一つ一つの石を
か細い女性の手で積み重ねて作った魂の劇場なのです。
（一時期は男性の助手がいたそうですが）

大阪城を造ったのは豊臣秀吉、でも実際に作業をしたのは大工さんなどの職人達、
ミナックシアターは発案者も設計者も出資者も、
そして実際に作業をしたのも一人の女性ロウィーナ・ケイドなのです。

最上階の席から、晴れた空と青い海を背景とした舞台を見下ろしていると、
人生の全てを捧げた彼女の信念に、思いをはせずにはいられません。
ちょっとした風や波の音でさえ、心に響くものを感じます。

石で作られた座席の背もたれには、これまで上演された演劇のタイトルが
掘り込まれていました。
英国ということもありシェイクスピアが多かったようです。

その日の演目は（ジーザス･クライスト･スーパースター）で、
舞台には十字架が並び、俳優やスタッフ達が打ち合わせをしていました。

「お忙しいなか、ごめんなさい。日本から来たかすみそうと申します。
時間の関係で、あなた達の舞台を観ることができないのがとても残念です。
せめて一緒に写真を撮ってもらえませんか？」

「え？スタッフの私と？　ちょっと待ちなさい、俳優たちを呼んでくるわ」

主役のイケメン俳優二人を呼び出してくれ、一緒に写真を撮ってもらえました♪

ミナックシアターへは、先日ご紹介したセントマイケルズマウントから
バスの乗り継ぎ、約1時間♪

バス停からしばらく歩きますが、綺麗な砂浜を見下ろしながら、
緑と花が多い道を進むので、全く苦にはなりませんでした。

近くには、イングリッシュガーデンを楽しめるミナックガーデン（Minack gardens）もあります。

ミナックシアターには、海と緑と花と演劇、
そしてロウィーナ・ケイドという女性の魂との出会い。。
心に響くもので溢れています♪

いつかまた行く機会があれば、絶対に演劇も楽しむつもりです。

嵐のミナックシアターで、シェイクスピア悲劇を観る。。なんて、
すごく壮絶な経験ができそうです。

https://www.minack.com/