ギーバー ~英国の世界遺産~
- 2021/01/21 10:19:47
「時間的になぁ~んか中途半端だけど、どこかへ出かける? 行きたい所とかある?」
ギーバーなら行けそうじゃない? 実は行きたかったんだ。
「ぎぃばぁ~? どこそれ? 何があるの?」
Geevor Tin Mine ギーバー錫鉱山跡
ユネスコの世界遺産、コーンウォールとウエストデボン鉱業サンジェスト地域の一部です。
1911年から1990年までの間に、5万トンの黒スズを生産し続けてきたとのこと。
英国で最も西にある駅、ペンザンスに到着した第一日目、
私達はどこへ行って、何をするかを決めていませんでした。
ロンドンから寝台特急ナイトリビエラスリーパーに乗り、
早朝に到着する予定ではあったのですが、時間通りに到着するとは限りません。
初めての場所ということで、戸惑うことや予想外のことが、起こるかもしてない。。
予定を立てていても、その通りにはならないことは
充分に予想ができていたので、
何も決めず、臨機応変に楽しむことにしていました。
予想通り、3時間遅れでペンザンスへ到着。
駅の近くで見つけたコインランドリーで、洗濯物を回しながら、
どこに行くかを相談し、ギーバーに行くことになりました。
ダーリンにとっては、興味深い場所でしたが
私には退屈かもしれないと、予定には入れず、
時間があれば提案してみようと思っていたそうです。
手荷物を預け身軽になり、ギーバー行きのバスに飛び乗り約40分。
大英帝国の産業を、長年に渡って支えてきた鉱山跡に到着です。
受付でヘルメットを渡され、
当時の鉱山で使われていた機械や重機などが展示された博物館、
その周辺には、大型重機などもあり、
当時の地下採掘現場へも行けるようになっていました。
ダーリンは、重工業や機械などが好きだもんねぇ~。。
側にいて、血が騒いでいるのが分かります。
温かい目で見守る私って、なんて良妻なのでしょう♪
当時の鉱夫さん達が使っていた採掘道具は日用品もあり、
彼らの生活が伺えたりもしました。
偉大なる大英帝国は、こういう名もなき屈強な労働者達によって
支えられ繁栄したんだなぁ。。と思うと、感慨深いものがあり、
私達の日本での生活も、様々な人たちに支えられていることを
再認識させられます。
発掘現場跡を散策していると、波が打ち当たる断崖絶壁へ行き着きます。
目の前には、ケルト海(Celtic Sea)が。。。
その北にはアイルランドがあり、
西は大西洋に続き、その先にはアメリカ大陸へと繋がっています。
海は広いな~ 大きいな~ 月が昇るし 陽が沈む~♪
海にお船 を浮かばせて~ 行ってみたいな よその国~♪
昔、英国からアメリカへ向かった人達は
このケルト海から大西洋に出たんだなぁ。。。
足元を見ると、日本では園芸種の花かんざしが咲き乱れ、
地面が濃い桃色が染まっていました。
コーンウォールでの、最初の日に、
このギーバーに来たのは正解だったねぇ。。
コーンウォール地方の名物料理に、コーニッシュパスティがあります。
採掘現場で働いているため、食事に戻ることができない労働者達のために
考案されたパイ料理で、牛肉と野菜などが包まれています。
ギーバー錫鉱山跡内の海が見えるカフェで、
そのコーニッシュパスティを食べました。
それがコーンウォールでの最初の食事です。
https://geevor.com/
https://www.visitcornwall.com/things-to-do/attractions/west-cornwall/lands-end/geevor-tin-mine
そうなんです。英国で人気の観光地といえば、
ロンドンや湖水地方、コッツウォルズなどが有名ですが、
コーンウォール地方も負けず劣らず、とても素敵な場所なのです。
このギーバーを知らなければ、ブリキや缶詰の歴史や
それを支えた労働者達のことに気が付かないまま
楽しいだけの旅行となっていたかもしれません。
ここはKBリゾートということで、リゾート地を優先してご紹介していますが、
世界遺産についても投稿したいと思っています♪
TVドラマ Victoria をご覧になっていたのですね。
産業革命はビクトリア女王の時代ですものね。
英国を旅行していると、産業革命とその影響、繁栄と衰退について
考えさせられます。
日本で深く考えずに当たり前のように食べていた缶詰にも
こういう歴史があり、産業革命に繋がるのですね。
コーンウォール地方を旅していると、よく(Escape!)という言葉を目にしました。
ロンドンなどの都会の生活をしている人達にとっては、
忙しい日常生活から逃れられるリゾート地、避寒地になっているみたいです。
旅行は楽しむことが一番ですが、その国の歴史や産業などに触れ、
より深く知り、考えさせられる。ということも大きな収穫だと思ってます。
鉄だけの鋼板では錆び易いけど、防錆効果のあるメッキを施したブリキは缶詰に向いてたのね。
コーンウォールって海岸のリゾートもあったり色々と面白そうな所なのですね。
Geevor Tin Mine さて錫(すず)とはTinです。
錫は錫メッキ鋼板、いわゆるブリキと言われる鋼板は食品缶詰、生活用品、玩具などに使用されてきました。英国の鉱山で産出された錫は缶詰などの新たな食文化の提供を可能にしたのです。これも一つの産業革命の成果なのです。
現在は飲料の缶詰は安価で加工の容易なペットボトルやアルミ缶に置き換えられた。
アルミはスチールの1/2の硬度なので曲げ加工に要するエネルギーも減となる。
今はスチールの利点を生かした用途で使用される。
食品缶詰ではスチールの缶は酸性のトマト缶に使用される。アルミと酸性のトマトでは相性が悪い、金属が溶け出しやすい、アルミはスチールよりイオン化傾向が大きいく酸化し易いのです。
様々な要因から1985年に錫の価格は下落し世界の錫鉱山は閉鎖された。
イギリスと歴史的な繫がりの有るマレーシアの Ipoh イポー, コーンウォールのGeevor ギーバーも錫鉱山は閉山となり当時の鉱山の重機を保存しその産業の歴史を博物館で後世に伝えようとしています。
コンウォール地方、鉱山などの産業のあるところ鉄道が敷設され、その産業が衰退した後の地方をどの様に立て直す等々、世界中で抱えている課題なのだろうと想像してしまいます。
鉱山のある地方の食べ物、ガッツリな食べ物だね。 ʕ-ܫ-ʔ