時間
- 2024/02/28 12:31:08
*前書き:
ずっと前に書いたらしい自分の考え方がパソコンのファイルの奥底から見つかって、読んでみたら面白いから、少し手直しして載せるね。
ちなみに、これを書いたのは、2012年7月27日だって!
11年7ヶ月ぴったり(月で言えば139ヶ月ぴったり)経ってから、たまたま発見して人に見せようって思ったエッセイのタイトルが「時間」って、面白いなぁ。。
あやふやなものってたくさんある。
時間もそのひとつ。
時計の秒針が、 かち、 かち、 かち、 かち、 、 、 、
1、 2、 3、 4、 5、 6、 7、 8、 9、 10、
今、この1から10までを数えたスピード。
この文章を読んでる人それぞれで違う。
あなたは、速く、きみは、遅く、数えたかもしれない。
つまり、人それぞれの時間の感覚のスピードがあるんだ。
それはもしかすると、その人固有の心臓の鼓動のスピードや体力、健康状態、性格やそのときの気持ちによっても違うと思う。
すると当然、生き物すべて、違う速度で生きているんだと思う。
その生きる速度。
これが時間。
マグロの時間と、ガジュマルの木の時間は当然違うはずなんだ。
例えば、頭がいい。とか、要領がよい。なんてことがある。
小学1年生を100人集めて、同じように地球の自転と公転を説明しても、その子は飲み込みが早くてあの子は遅い。
ピアノの弾き方を早く覚えてしまう子と、なかなか覚えられない子。
その速度にはそれぞれの違いがある。
大体において、速い、もしくは早いほうが、良しとされる。
ところがこれ、本当にそうかしら?
例えば、何をやらせても、どんな勉強をさせても、飲み込みが悪く、理解も遅く、徒競走も遅い。
ぜ~んぶ、遅い子。
この子供は他の子供に比べて、劣っているのだろうか?
面白いことに、実はこの子供は、この子供の速度と時間の質で生きていないとわからないことを感じながら生きているのだと思う。
今、「時間の質」という言葉が出てきたが、時間には速度の他に、質があるのだ。
伸びたゴムのようにだらしない質の時間、氷のように冷たく厳しい時間、暖かな命が生まれる春のような時間、タイトで一つ一つがくっきりとしている時間、とても大きな大河のようにゆったりと流れる時間などなど。
世の中のひとつの定規で計ったら、この子供は出来が悪いとされる。
しかし、その誰が決めたかわからんが、決まりきった日本の(あるいはアメリカの)定規をはずしてみると、この子供にしかわからないことや、出来ないことってたくさんあるはずだ。
それを見つけられない、もしくは認められないのは、実はその子の責任ではなくて、世の中の度量の狭さ、そして、感受性の乏しさなのだ。
(言い切っちゃうのだ。)
世の中の時間の質は、彼の時間の質よりも粗い。
彼の時間の質の方が繊細で尚且つナチュラルになめらかさを持っているから、彼が感じている小さくて美しい粒は、世の中の粗雑な質の時間で生きてる人々には理解できないのだ。
人はどの時代でも、理解できないことを「バカ」「夢見事」「使えない人」など、取るに足らないもの、ダメなものとしてカテゴライズしてしまう。
自分たちの定規だけが全てだといつの間にか勘違いしてしまっているのだ。
極端な例えだが、ショッキングでビビットな色しか見ることの出来ない目では、四季折々の美しさは理解できないだろう。
(ただし、決して、物事を早く理解できるいわゆる「頭の良いこ」がダメだと言っているのではない。)
人それぞれの生きていく時間がある。
今は、時間をバラバラにしたらもちろん混乱してしまうから、時間っていうものが世界共通のもの。1秒は1秒と決められている。
(もちろん、そうじゃないと大変なことになるのはわかる。)
ところが、もし、もっとうまいこと人にはそれぞれの時間があるんだってことを理解した上に世の中が成り立っていけたら、なんだかもっとのびのびして面白い世界になるように思う。
ちょっとわかりづらいかも知れないが、一人一人の時間の違いが認められたら(あるいは認識されたら)それもひとつの個性の尊重になるんだろうな。
もしも、あと何千年後かに、そんなふうになってたら面白いなあ。
(この何千年後も、人によっては何十万年後かも知れないし、4秒後かも知れない。)
私はピアノ覚えるのは早く、試験もトントン拍子で受かってしまいましたがやっぱり時間がかかってる子もいました。うちの息子は容量悪いし、最初は色々サポートしてあげないといけないんですけど、覚えたら全然私より早い時があるんですよね。
私もものすごく要領悪い時もあるし、ほんとカテゴライズはあてにならないと思ってます。
今は個性が尊重される時代にはなってきてますが、何か必要以上にSMSで叩く風潮がありますよね・・・
もうちょっと他人を尊重しながらシンプルに考えられる世の中になるといいな~とも思います。