Nicotto Town


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ウィンダミア湖

投稿者:ケニー

ウィンダミアの町のホテルから、アウトドア専門店に行って、ジャケットやテント、寝袋、ガスコンロ、などなど、キャンプに必要と思われるものを買い込む。
大荷物を背負って、ホテルに戻る。
翌朝、ホテルをチェックアウトすると、いよいよキャンプだ。

ホテルから出て、5分くらい歩いたところにあるバス停からバスに乗る。
ウィンダミア湖をバスはぐるりとまわっていくので、しばらく乗っていくと、湖を半周くらいしたところ(元々泊まっていたホテルがあるのとは対岸)あたりにキャンプ場がある。

キャンプ場の前までバスは行かないので、途中で降りて、そこからは徒歩だ。
馬鹿みたいにでかい荷物と片手にも寝袋とかを抱えて、えっちらおっちら、歩いてようやくキャンプサイトに着く。
当然のことながら、キャンプ場の駐車場にはいくつか車が停まっていて、
バスで大荷物背負って来てるのはおれくらいだろう。

キャンプ場の受付へ行って、なんかの書類にサインをする。
何か説明されたが、当時は特にまだまだ英語がよくわかってないので、テキトーに返事して済ませる。
指定された場所にテントを立てる。
湖のほとりからまあまあ近い場所だ。
でも、近くに他のキャンパーたちや家族連れなんかもテントを立てていて、理想としていた、おれ一人だけ、とはちょっと違うがまあいいか。

テントを立て終わると、やはり行ってみたいのは湖。
湖の近くまで行ってみて、その辺を散策してみる。
ちょっと釣りでもしてみよう。
ニューヨークでは淡水魚を釣る時にライセンスがいるのだが、ウィンダミア湖ではどうなのだろう?
知らないけど、まあいいや。と、釣竿にルアーを付けて、ちょっとやってみる。
虹鱒とかバスとか釣れたら、夕食にするつもりだったのだが、な〜んのアタリも気配すらなく、そっけないものだった。
だけど、とっても美しいウィンダミア湖のほとりでのんびりできているだけで、おれは大満足だった。
「湖のほとりでキャンプする。」というのは、長年のおれの夢の一つだったからだ。

夕方になり、持ってきたガスコンロとフライパンで夕食を作る。
メニューは、ソーセージと目玉焼き、あとはパン。
なぜか知らないが、キャンプで焼いたソーセージと目玉焼きはマジで世界一うまかった。
それから、日も暮れて、おれはテントに潜り込む。
中でランタン風の灯りを付けて、ロンドンの紀伊國屋で買った「世界の朝食」を読む。

大荷物を運んだり、色々したから体も疲れていたのだろう。
おれはいつの間にか寝袋の中で眠ってしまっていた。


。。。寒い。。。

めちゃくちゃ寒いのだ。。

おれは寒さで目が覚めた。
とにかく寒い。
確かマイナス20度くらいまで耐えられる寝袋を買ったはずなのだが、寝袋だけではどうやら不十分だったようだ。
もちろん、イングランドの初夏の夜はマイナス20度なんかにならないけど、でも、めちゃくちゃ寒かったのだ。
おれは急いで、荷物の中からある衣服を着込んだり、毛布がわりにした。
それでも寒くて、靴下まで履いた。

失敗したなあ。。朝になったら、町に戻ってブランケットとか買いに行かなくちゃ。。なんて、思いながら、まんじりともしないでいると、、


ガサ、ガサ、ガサ、ガサ、、、、


んっ!?
なんか、おれのテントの近くを歩いてるっ!

ガサ、、、ガサ、、

草の上を何かが歩いてる音と、濃厚な気配を感じるのだ。。

時計を見ると、夜中の2時半過ぎ。。
そもそもこんな時間にキャンプに来た人が何かしてるとも考えにくい。
トイレとかに行くならあり得ると思うが、懐中電灯とか持っていかないか?
もし明かりがあれば、テント越しにもわかるはずだ。
でも、テントの外は真っ暗のままだ。



ガサ、ガサ、ガサ、ガサ、ガサ、、、

なんか、おれのテントの周りをまわっているような気がする。。
気配がテントのめちゃくちゃ近くなのだ。。。

。。。超、、、こわい。。。。。。。。。。


おれは、寝袋の中で小さなナイフの刃を出して、恐怖と寒さでガタガタ震えながら、その気配が立ち去るのを待っていた。


おれはなんだか、気絶するように眠ってしまっていたようだ。。

気づいたら朝だった。。

ナイフは握りしめたままだった。

テントを出て、周りを確かめる。
何も変わりはない。

一体、あれはなんだったのだろう。。。
あの正体、いまだにわからない。

それから、おれは町に戻って暖かいブランケットを買って、その後、2泊、キャンプを楽しんだのだけど、その夜以降はあの気配は現れなかった。。

*実話です。

アバター
2024/06/29 18:24
へぇー実話なんだ?ロンドンに紀伊國屋あるんだ?
アバター
2024/04/09 21:49
くまじゃなくてよかった ピューマなら、まだましな気はする でもイギリスにピューマはいない…



管理人
ケニー
副管理人
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(今すぐ参加可能)
公開
全公開
カフェの利用
朝10時~夜24時
カテゴリ
自作小説
メンバー数
12人/最大100人
設立日
2024年02月18日

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