Nicotto Town


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ハドソンリバー

投稿者:ケニー

ハドソンリバーを眺めていた。
ゆるく灰色の空。
川にはゴミを運ぶ貨物船が浮かび、気怠く重たい水面を南に進んでる。



火曜日の午後1時40分。



おれは立ち上がって、遅い昼飯を食べにダンボのメキシコ料理屋に入ってブリトーを注文する。
赤く燃えたような色の皿に乗ったブリトーは丸々と張り詰めていて、食べられるのを待っている。
食べ終えた口の端にはサワークリームが付いている。



昨日まで考えていたことは、まるで溶けてしまっていて、今日が初めての新鮮な1日のように思えていたが、しかし、もう夕方になれば1日は死ぬのだろう。



一体、どうやって帰ればいいのだろう。



おれはストリートの真ん中に仰向けに寝転んで、空を眺めた。
ぼーっと見ていると灰色の空というのは、淡く太陽の光が差し込む箇所もところどころにあるし、灰色の雲の厚みは薄いところもあって、それはそれで美しいものだと思っていた。
もちろん、車を運転しているドライバーは道の真ん中に寝てるやつがいるんだから、おれにクラクションを鳴らしている。



おれは目をつむる。

深く目をつむる。

どうやら、ドライバーは車から降りてきて、おれに怒鳴っているようだ。

が、

おれは深く沈んでいくので、やがて、声は遠くなる。



暗闇の中に沈んでいくと、冷たい粘土質の土に体が包まれていて、心地よい。

夢を見ていたようだけど、思い出せない。



気づいたらもう夕方で、目を開けると空はオレンジ色に染まっていた。

灰色の雲はもうどこかへ移動したようで、すっかり空が見えている。

おれを立ち上がって、それから歩き出す。

誰もいない道路を歩いて。



ハドソンリバーはオレンジ色に染まって、ゆらゆら揺れて。

ゴミを運ぶ貨物船は仕事を終えて帰るところだ。

一日が死んでいく。

そしてまた、明日の朝、一日が生まれる。

今はまだ、あなたを思い出しているだけで、それだけしかできないけれど、まだ。

いつかまたいつか。

アバター
2024/06/29 14:48
ケニーさんは海外の経験が多いのかな?しかし一日が死ぬとはどういうことか?インパクトのある言葉だが。もう少し成熟させる余地のある掌編小説。ハドソンリバーとか他の表現が良い。



管理人
ケニー
副管理人
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公開
全公開
カフェの利用
朝10時~夜24時
カテゴリ
自作小説
メンバー数
12人/最大100人
設立日
2024年02月18日

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