ここで素朴な疑問が出てくる。

「では、全くビジュアルが同じだった場合はどうか？」

現実的には全く同一の外観個体は一卵性双生児でも完全コピーとはなり得ないものだが
（DNAが同じでも育つ環境条件が異なり発達に差異が出てくる‥）
かりに、全く同じビジュアルの二人が存在したとしてみよう。
あなたのめちゃくちゃ好みだと想定して、どちらにあなたは『恋』するだろうか？

「そりゃあ、中身がどんな人か？によるよ。」　　‥そのとおりです。

そして、お話して、より好感や価値観の一致、親和性を感じた方に気持ちが向くだろう。
じゃあ？この逆は？
すごく好感や価値観の一致や親和性がある二人がいて、中身は同じレベルで「好き」だとして
そんなとき、より「ビジュアル」に秀でた方を相手に選ぶだろうか？ ‥きっと選ぶだろう。
ただし、ここで言いたいのは、そういう順番で「好き」を決めているだろうか？という
ことだ。『恋』に落ちる順番とは果たして後者パターンだろうか？

これは面白い思考実験だけど、普通に私たちが暮らす社会ではありえない現象だ。だから
こんなくだらないことはスルーしてもいいはず‥　　‥なのだが‥

これを実現してる世界がある。それが「ニコッとタウン」なのだ。

この仮想空間では課金すれば（季節限定モノは？とか言わないようにｗ）全く同じコピーを
作ることも出来る。　正直、課金すると言っても、ミリオネアになる必要はない。
しかも、ここのアバター達は基本美男美女で構成されている。目鼻パーツや輪郭、肌色など
組み合わせれば、リアルでのメイクやコスプレでは望むべくもない大変身が成し遂げられるのだ。
おふざけ趣向でわざと変顔、ボケ顔もできる。コレは限定的と言うより、人間にとっての大半の
変身願望が叶えられる空間と言っていい。

とくに面白いのは、自分のオリジナル・アバターを作成するとき、皆さんは自由に好みのものを
選択配置したはずだ。これが、まさしくその人の個性を反映しており、多種多様の疑似個人を
生み出している。それらのアバターを見るとき、なんとなく「その人」と認識していれば
ぐうぜん街（タウン）で出会っても「その人」とわかる‥のが、とても興味深い。
（名前を変えただけのその人を、勘が働いて見抜いた！なんて、経験はないだろうか？）

私達は、まさに「個人」をそのアバターの外観で認識できているのである。

神話的に表現してみよう。

ニコタの神は、みなに等しく公平な美しさとその多様性の自由を与え給うた。
このニコッとタウンではビジュアルの悩み苦しみから解き放たれた民が
めくるめく心の交流を可能足らしめているのだ。




つづきます♪