アトピーの治療
- カテゴリ:勉強
- 2012/11/11 10:57:26
土曜の夜の研修会は、アトピー治療でした。
アメリカでのステロイドのチューブは、50g~100gが普通だと聞いてちょっとビックリ。
日本では大抵5g~10gですし、大きくてもリンデロンVGの30gまでしか見たことがありません。
なかなか治らないのは、症状として難治性なのではなく、患者自身が指示を守って外用剤を塗布していないことの方が多いとか。
アメリカで行われた調査で、チューブのふたに電子式のカウンターを取り付けて開け閉めした回数を調査したところ、患者からの自己申告による使用回数と、カウンターによる開閉回数は一致しないことが多く、難治性の患者程その乖離が大きかったと。
逆に言えば、ステロイドに対する都市伝説を丁寧に否定して指示どおりの塗布を続けて貰えば、必ず治癒すると。
ステロイドで本来は白くなるのに、中途半端にやるため一時的にメラニンが集まって黒くなる。
皮膚のバリア機能を治療しないとかえって皮膚感染を起こしてしまうのに、ステロイドを塗布せずに皮膚の異常を放置するため、余計に皮膚感染を起こしやすくなる。
全身性の副作用を恐れて塗布しない。
このあたりを丁寧に説明して、使用量も適切に指導しておけば、これまで難治性であっても、10~12週でほぼ完治。
ただし、そのあとのスキンケアが大事で、ヒルドイドなどでしっかりと保湿することが大切。
塗布する時間によって剤型を使い分ける。
夜間に塗布するなら軟膏、朝や日中に塗布するならクリームかローション。
重ね塗りの指示をする時には、順番を厳密に守らせる必要はなく、間違えたなら間違えたで構わないことを患者に強調する。
少しそれますが、食物アレルギーとされるものの中には、消化管からの吸収によるものではなく、皮膚から抗原となるものを吸収して抗体を産生してしまっている可能性があると言うことでした。
子供が自分で食べようとすると、口の周りにべたべたとつけるので、そこから皮膚刺激が行って抗体産生に結びつくとか。
なかなかに有意義な研修会でした。