Nicotto Town


モリバランノスケ


古道の狼達

(おはよう御座います)。今朝も、良く晴れた。
気持が宇宙の隅々迄染みわたり、心も晴れる。
私は、今日も、我がFamilyで、Breakfastを愉しんだ後、ログハウスから出て、敷地の南西を走る、古道の陽だまりに来ている。伴走はウサコ。

先ずは、古道楠木兄弟と朝の挨拶をする。

私 (おはよう御座います)
兄 (おはよう) 弟 (オハヨウ)

そして、徐ろに、持参したロッキングチェアーを拡げて、ユッタリとした気持ちで、腰を下ろした。兄弟の葉隠れに、見え隠れしている、空の青さを眺める。静かだ。何時しか私は、兄弟が話してくれた古の物語を思い返し没我する。

○時代は、平安時代の末期。その頃、この地に住んでいた狼兄弟の話である。名を、タロー、ジローと言った。我がログハウスの東側に息づく仲間の楠木(今の老クスノキの事)の側に、洞窟があった。狼兄弟は、住居をそこに定めていた。

とある朝の、彼らとの会話である。

楠兄 (先日、この古道を通って、ここまで逃れ
   て来た、幼子の様子は、どうですか?)
狼弟 (ひどく憔悴している。でも、命に別状は
   無いと想う。この森の皆で看病してる)
狼兄 (大分、元気を取り戻してる。心配ない)
   
それから、数日後のある朝、幼子が、前後を狼兄弟に守られて、古道楠木兄弟の元に現れた。

楠兄 (お元気な様子、何よりです。この森を、
   散策する程に、回復されたんですね。
   おめでとうございます)
幼子 (ありがとう。森の皆んなが、とても良く
   してくれます。有難い事です)
狼兄 (彼の、傷ついた心と体。それを癒やすの
   適する、食べ物や薬等を運んでくれる)

又、数日後のある朝、幼子が前後を狼兄弟にに守られて、古道楠木兄弟の元に現れた。

楠弟 (お元気な様子、何よりです。この森を、
   走り回る程に、回復されたんですね。
   おめでとうございます)
幼子 (ありがとう。森の皆さんの友情を本当に
   有難いと思ってます。私は、天涯孤独の
   境遇です。相手方に、一族郎党は皆殺し
   にされました。私は、伊豆に幽閉、直ぐ
   下の弟は木曽に、その下の弟は奥州に)
狼弟 (この方は、不遇な生い立ちにもめげず
   心身ともに、回復されてます)
            ・・・・・・・○

私は、彼等の間で交わされている会話を聞きながら、幼子が、この森の皆んなの友情を、こんなにも素直な気持ちで受け止められるのなら、この先、逆境を跳ね返して、しっかりと生きていけるだろうと考えている。




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