Nicotto Town


モリバランノスケ


古道の花嫁

今日は、雨は降っていないが、曇り空である。天気予報では、昼頃に、少しぱらつく事もあるかもしれないが、どうにか夕方までは保つらしい。 微風が吹いているが、気になるほどではない。爽やかな、気持ちの良い、5月の風だ。

本日は、5月27日。大安である。今、正に、古道楠木兄弟の下、僅かに平地に成っている陽だまりで、結婚式が厳かに行われようとしている。

式を執り行なうのは、古道楠木兄弟。参列者は私共夫婦、チャム、クモ吉、ピョン太、サボタロウ、亀様、タカオ、それと、この庭森の草木樹木達。それから、新郎のウサオが住む、隣の森からは、村長である猪のイノ郎、それに森の仲間達。皆が、見守る中で、新郎新婦の、ウサオとウサコは神妙な面持ちで座っている。

先ず、古道楠木兄が、○これより、ウサオとウサコ、両名の結婚式を執り行なう○と、厳粛な声で、開会を宣言した。

次に、古道楠木弟が、二人に問い掛ける。
○両名は、今からは、夫婦となる。互いに愛し愛され、添い遂げる事を、誓うか?○ と。

二人は、互いの目を見て、宣言した。
○誓います○  ○誓います○ と。

その時、柔らかで爽やかな、一陣の風が吹く。
そこに参集している皆の気持ちが、祝福と言う一点に集約されて、空に舞い上がる。

そこは、言葉では言い尽くせない、言い換えると、 ⚪言葉の裏側⚪ とも言うべき世界が拡がっていた。




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