Nicotto Town


モリバランノスケ


小蝶の門出

今日は、風もなく穏やかな日和である。空は雲一つ無く、晴天が拡がっている。我が庭森の、草木樹木は、枝葉を気持ち良さそうに伸ばして
天を仰いでいる。そして、ここに息づく、我がFamilyを始めとする生命達も、同様の仕草を!。

午前10時.。小蝶の出発の時が、近づいて来た。我が庭森の皆は、古道楠木兄弟の下に集まっている。皆の視線は、小蝶に注がれていた。そして、傍らに寄り添う、クモ吉、チャムにも。
クモ吉は、彼女が幼虫(アオコ)の頃から、あれこれと甲斐甲斐しく身辺の面倒を見てきた.。お蝶からの頼みでもあるが、自らを護衛役と自認。

それにしても、チャムが何故同行?。それは、彼の極めて個人的な理由による。シヤムネコのチャムは、自分のルーツであるタイを訪れてみたいと、考えていた。それで、この銀河Expressに同乗させてもらう事にした。宮古島迄は小蝶の世話をすると言うのが、名目である。

小蝶が、(一言皆様にお礼とご挨拶を)、と前置きして言葉を紡ぎ始めた。

○本日は、お見送り下さいまして誠に有難うございます。

私は、まだまだ幼蝶です。そんな私に、ログ様は、銀河Expressと言う、素晴らしい乗り物を、提供して下さいました。

母の生まれ故郷である宮古島から、彼女の足跡を辿り、北上する事に成ります。ログ様には、更に、温かいAdviceを頂いております。

ログ様の仲間は、全国にいらっしやるそうです。疲れた時は、そこのログ仲間に頼み、銀河Expressを呼ぶ様にと。本当に有難いお言葉です。

それでは、元気で行って参ります。・・・○

集まった皆から、温かい拍手が、沸き起こる。

いよいよ、青空の彼方から、銀河Expressが姿を現し、古道の上空に停まった。そこから、古道楠木兄弟の、青空に拡げた枝葉の間を抜けて、座席がスルスルと降ろされた。その座席に、小蝶、クモ吉、チャムが乗り込む。周りの皆から
(体に気を付けて)、(元気でナ!)・・・・等など
励ましの言葉が、ライスシャワーの様に舞う。

三人は、神妙な様子。座席から、回りの皆んなに、(見送り有難うございます)と、視線で感謝の気持を現しながら、頭を下げている。辺りに、駅長である、古道楠木兄の、(では、出発します)との声が響き渡った。彼等の座席は、スルスルと上空へと動き出し、車列に合体。銀河Expressは、それを確認すると、空の彼方へと消えた。

私は、○とうとう、行ってしまった○と、万感の想いが込み上げる。そして、(幸運を祈る!)と、抜ける様な青空に向い、熱く叫んでいた。




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