Nicotto Town



ホルヘ・ボレットというピアニストを知る。


全く知らないピアニストがラジオでかかり、
たいへん気になったので調べ、動画なども観た。
うむ、気に入った。キューバ生まれのホルヘ・ボレット(1914-90)。

高名なリスト弾きでリストの孫弟子になるらしい。へー凄い。
GHQの一員として戦後日本に派遣されたこともあったそうだ。
正当な評価を受けるようになったのは70年代以降、大器晩成型らしい。

キューバ人というところで理由もなく感心する。
ゴンサロルバルカバ等、鬼才が多い国という偏見がある。
でも聴いてみたらモノスゴク正統派ではないですか。THE・クラシック。

私にクラシックの正統を聴き分ける耳なんてないんですけど、
自分がクラシックとして認識する表現の佳さに溢れている。
この人、還暦以降に精力的に活動し録音を残したのが功を奏した気もする。

容貌が佳い。気難しそうで哲学や物理学の香りも漂い、
フィルムノワール的な暗黒街の敵役っぽさもある。
でも演奏は驚くほど端整。評判ほど技巧に走らず抑制も効いている(気がする)。

アシュケナージが私にはツマラない。娘によく叱られる。
ホロヴィッツやラフマニノフは音質とリズム(偏見)が好みから外れる。
マルゲリッチは二の腕が苦手。グルダは背後に立って口を塞ぎたくなる。

脱線するが、ギレリスはともかく、ブーニンやキーシンは嫌いだった。
ですが近年のブーニン、キーシン、ともに結構聴けるようになった。
私の耳の成長のせいか、彼らの音楽的成熟ゆえかは不明ですが。

ボレットはなんか佳い。リヒテルやポリーニと同レベルで気に入った。
思い当たることがひとつ。ボレットはベヒシュタイン弾きらしい。
クラシックでも楽器の音色は楽曲・演奏の聴こえ方に大きく影響する。

門外漢だけど、ギドンクレーメルのバイオリンは聴くと判る。
ジェフベックやローランドカーク同様、唯一無二の音色である(気がする)。
ベヒシュタインの馥郁とした音色のせいなのかもしれないなぁ。

さてボレットが気に入ってしまった。CDを探さねばならん。
この人はソロが佳いな。名盤らしい74年のカーネギーと、
デッカから出ていたリスト名曲集あたりから狙おう。




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