今、小蝶とクマオ/ヤマオは、北海道の中央南端部に位置する勇払原野に居る。止まっているのは、樹齢3百年と推定される、エゾヤマザクラの枝上。初秋の空は、真っ青に澄み渡り、北西には、白煙を棚引かせる、樽前山の姿が在った。
場所は、この辺りに住み着いた、主に酪農を生業とする人達の、心の拠り所となって来...
今、小蝶とクマオ/ヤマオは、北海道の中央南端部に位置する勇払原野に居る。止まっているのは、樹齢3百年と推定される、エゾヤマザクラの枝上。初秋の空は、真っ青に澄み渡り、北西には、白煙を棚引かせる、樽前山の姿が在った。
場所は、この辺りに住み着いた、主に酪農を生業とする人達の、心の拠り所となって来...
今、小蝶は、枯木エゾ松の枝上にいる。幹の太さは5m、樹高は30m、樹齢5百年以上には成るであろう。辺りの命達からは、蝦夷地と言われた古から現在まで、森の相談役として慕われてきた。樹肌はゴツゴツと苔むした、正に、山親爺である。
そこは、小高い丘の上であり、東西南北に視界が開け良く見渡せた。北側に...