彼女のお願い
- カテゴリ:自作小説
- 2010/09/10 09:57:27
瞳をくるくるさせてこっちをみている。
くわえて、キラキラなんて効果音も聞こえてきそうだ。
こういう時は、気をつけたほうがいいんだ。
『あのねぇ~』
と甘えた声が、かわいい唇から漏れてくる。
まずい。絶対にまずい。
『ミキねぇ、カズトにお願いがあるんだぁ~』
ほらきた。
まだ、バイト代は入ってないんだよ。
僕の財布は現在、警戒警報がなりっぱなしだ。
でも、こういう時にかぎってミキのお願い爆撃が始まったりするんだよなあ。
とりあえず、おそるおそる聞いてみることにする。
お願いってなにかなーぁ?
やべ・・笑顔のつもりが引きつってる気がする。
この前のお願いは、かわいいピアスが欲しいだった。
その前は、おしゃれなサングラスだった。
もう一つ前は、きれいな髪留めだったかな。
これらのお願い攻撃の恐ろしいところは、おねだり金額が微妙に安いところにある。
それくらいの値段ならいいかな?って思わせるところを突いて来るんだ。
でも、普段のお金もそんなに自由のきかない学生にはときどきキツイんだよね。
しかも、今日はデートだけどメシ代ぐらいしか無いんだよ。
できればメシだってファーストフードでカンベンして欲しいぐらいだ。
そりゃ、ミキは僕の彼女にしておくのはもったいないぐらいかわいいよ。
付き合い始めて半年だけど、僕はミキに夢中さ。
ミキが僕との付き合いにOKをくれた時、僕は確実に3センチは空中に浮いていたね。
そんな大好きな彼女からのお願いだから、快く聞きたいんだ。
本当だよ。
それでも、無い袖は振れない事もあるんだよね。
『どうしたの?目が挙動不審だよ?』
心の葛藤が外部に漏れていたか。
あわてて、そんなことないよー。ってオーバーアクションをした。
するとその手をミキがギュって握ってきた。
なになになになに?
この前素敵だねーって言ってたスカートですか?
あれは無理だよ?絶対に無理。桁が一つ多いもん。
バックもだめだよ?
もう少しだけ、今つかっているので我慢してください。
頭の中を色々なブランド品がかけめぐる。
これが走馬灯っていうのかな?
いや、違うだろ。なんだ?思考がショートしてるのか?
『ミキはカズトが大好きなの。だからこれからもずっと一緒にいてね。お願いよ』
プシュ~~って頭から音がした気がする。
当たり前じゃん!って答えたことは記憶している。
なんか、体も熱かった。
その後、二人で雑貨屋に入ったらしいんだ。
家に帰って財布をみたら、ペンダント代っ書いてあるレシートが入っていたから。
完全に思考が停止していたらしい。
色々な意味で。
ニヤニヤしながら 読んじゃったよww
意外な言葉が でてきたのと ミキのカワイイ言葉が
カズトの胸に 突き刺さったわけねぇ~^^