【小説】僕たちの休日
- カテゴリ:自作小説
- 2010/10/07 09:01:51
休日だというのに朝から雨が降っている。
静かな雨だ。のんびりとすごそう。
こんな休日も悪くない。
『あー!雨が降ってるぅー。修平どうしよう!』
ドタドタと足ふみならしてこちらに向かってきた。
『やぁ香織にしては早く起きたじゃない?まだ10時前だよ』
『今日は、ちょっと早く起きようと思ったの!それに私が遅くなっちゃうのは修平のせいでもあるじゃない!』
『そう?疲れるのは僕のほうだと思うけど?』
『そんなことない!私だって・・って何 朝から言わせるのよ!』
『まぁ、まぁ・・とにかく顔ぐらい洗ってきなよ?』
むぅーと口を尖らせながら、彼女は洗面所にむかった。
『ひゃー、頭もぼさぼさ~~もうー シャワー浴びてくる』
『はいはい。ごゆっくり』
僕は読みかけの書類をテーブルに置いて、キッチンに向かった。
朝からコーヒーしか飲んでいなかったので、二人分の朝食を作り始める。
食事は当番制だが、ほとんど僕が作っている。
すべて出来上がって、テーブルに皿をならべた頃、香織がバスタオルで頭を拭きながら出てきた。
『あのさ、香織。着替えはもって入らなかったの?下着もつけないで部屋を闊歩しないでよ』
『ん~、忘れちゃったー。ふふふ、どう?そそりますかな?』
『そんな素っ裸で、あっけらかんと言われてもダメ』
『むぅー。つまらん男じゃのぉ~。かわゆい彼女の裸をみてもなんとも思わないのかえ?』
『ハイ、色っぽい色っぽい、そそるそそるー。だから早く着替えてきな。朝ごはんできてるよ。コーヒー?紅茶?』
『う~ん、わらわはミルクティーが所望じゃ』
『かしこまりまして、姫様』
紅茶の用意をしてると、向こうの方から ぬぅおお~パンツに穴があいてるぅーなんて声が聞こえてきた。
何をやってるんだろうね、香織は。そういう事に相手をすると面倒なのでほおっておいた。
しばらくとすると、ラフな格好でやってきた。
『修平は朝ごはん作っちゃうし、外は雨だし、パンツは穴あいてるし、もう今日はコレでいい』
パンツは関係ないだろう。
『そうだね、今日は大人しく家にいよう』
『むぅー。せっかく近くにオシャレなカフェが出来たから一緒に行こうと思ったのにぃ』
『あぁ、それで早く起きようと思ったわけ?』
『そうなのさ。でも今日はやめておくわ、修平に付き合って読書でもするー。今は何読んでるの?』
『一般化された共変微分の方法による大統一理論への考察と可能性の示唆』※1
『・・・・・なにそれ?』
『ドイツのシュデリッヒ物理学博士の論文』※2
『そんな胸焼けするようなもの読みたくないわ』
そういいながら、香織はサラダをワシワシ食べ始めた。
僕は苦笑するしかない。僕だって好きで読んでいるわけではないんだ。
朝食を作ったのが僕だったので、片付けは香織だ。
でも
『あ、修平。ついでにそのお皿もってきてー』だの
『こっちのコップを拭いてくれると助かるー』だの
『台ふきん、ちょっと洗ってくれる?』だの
結局、僕も半分ぐらいは片付けるハメになる。ズルイやつだ。
片付けが終わって、僕はまた論文の続きを読み始めた。
香織はソファーに腹ばいになって雑誌をめくっている。
外はシトシト雨が降り続いていた。
静かな時間が流れる。
考えてみれば、僕のようなインドア派と香織のような行動派が一緒に暮らしているというのは面白いものだ。
趣味だってそんなに合うわけじゃないのに、一緒にいるのは苦にならない。
わがままで、気まぐれで、気分屋の彼女。
まるで子猫だ。
しばらくすると、香織がむぅーと言い出した。
『飽きた・・・』
ぼそりと言ったかと思うと、腹ばいのまま足をバタバタさせた。
『飽きた!飽きた!あ~~き~~た~~~。もう字を読むの飽きた~~』
『まだ、1時間しかたってないよ』
『外にも行けない。字も読みたくない。うぅ~~もう寝ようかな』
『さっきまで寝てたのに、もう寝るの?いくらなんでも早過ぎないか?』
『うん、そうだね、ちっとも眠くないわ。だから・・・一緒に・・ベッドに行こ?』
ちょっと首を傾けて眼を細めながら手を握ってきた。
その笑顔はズルくないか?
論文をテーブルにおき、彼女に手を引かれながら思った。
彼女が猫なんじゃない。
僕が犬なんだ と。
※1:こんな論文はありません
※2:そんな名前の博士はいません
彼女にベッドに引きずり込まれ、実は主人公が犬だったと感じる
まあ、本人が幸せならそれも是
基本的には1話完結をめざしてます。
続きが気になるって嬉しいです。
to ユチョな
完璧に妄想で書き上げたよ~w
こういう恋愛したかったわ(笑)
to ひまわり
かもね~。
『彼女』は気分屋ですからw
to さえら
二人の出会いも考えましたが・・・・
思いつかなかったのが、ネタバレですw
でも、こんなカップルっているんじゃないかな?
論文は・・・
オイラにも意味はサッパリです!!w
to ぺぱ
フシギな人ほど魅力的♪
to 荘也
カフェでの襲撃って・・・w
あいかわらずフシギです♪
快活な恋愛を してるなーと思います
物質としては 同じ ただの紙の束なのに 論文と雑誌とは 好対照ですねw
そんな二人の出会いは どんな出会いだったんだろう? と想像してしまします^^
実際にありそうで でも意味不明な 論文タイトルが
ちょっとツボでした~w
なんだかんだ言いながら 尻尾振って ついていっちゃったのねw
でも ベッドに誘われて ついて行かなかったら
猫ちゃんは・・暴れだすのかもw
しゅーひっち^3^~♪
か、可愛い^0^こんな恋愛・・・・・したい*^。^*
ぢゅるるるる(~。~*)おっと、よだれ;;
実体験かな~?(///^w^//)/うふっ