【小説】紫翼のジーナ~11~
- カテゴリ:自作小説
- 2010/11/22 14:17:12
『紫翼のジーナ』5-③話
原案:はじめあき
作者:しゅーひ
その頃、リンはひざをついた四つんばいで地面を進みながら
「核羽ちゃんや~い。どこですか~」と
真剣なんだか、不真面目なのかわからない口調でウロウロしていた。そして、
「青い羽ねぇ。あの時、どうも見た記憶があるような、無いような…?ハテ?」
とポテっと地面にお尻をついて右手の人差し指を頭につけて、首を少しだけ右に傾けていた。
ハテナマークがプニョンという効果音と共に頭から飛び出しているような感じである。
本人は一生懸命思い出そうとしているのだが、後ろからみるとボヤーっとしている風にしか見えない格好である。
そんなリンを目の淵で偶然とらえたジーナは、まったくもって使えないメスだと思い、叱咤しに行こうと体をリンの方に向けたときに後ろから大きな破裂音が聞こえた。
四つ輪のついた籠車がバルルンと咆哮して、ジーナの近くで止まった。
音が聞こえた時は遥か遠くだと思ったものがアッという間に近づいたのだ。ジーナは一歩も動けなかった。
噂では聞いたことのあるMオートであったが、真近でみるのは初めてだったのだ。
ちょっとだけ「すげぇ」と思ったジーナであったが、助手席に座る男を見てそんな気持ちは吹っ飛んでしまった。
そこにリンがトテテと近づいてきて感嘆したように言った
「すごーい。何これ?こんな乗り物があるんだぁ。ひゃー凄い音がするのね。迫力あるわー」
はしゃぐリンの横でジーナは助手席のヘビ男の顔を無言で睨みつけていた。
いやらしいニタニタ顔のヘビ男であるホルンはゆっくりとMオートから降りて一歩づつこちらに向かってきた。その後ろに3人の男が無表情のままついてくる。
お互いに手を伸ばせばぎりぎり触れる事ができる程度の距離まで近づいたホルンはニィと口角を上げて言い出した。
「あれー?ジーナ君ったらこんな所で女の子と逢引かい?済みに置けないねぇ~」
ジーナはホルンの言葉を無視した。ホルンはジーナの態度には特に気にも留めずリンに向かって話しだした。
「こんにちわお嬢さん。ボクの名前はホルン。ジーナの親友だよ?アハハハハ」
「こ…こんにちわ」
リンは思わず頭をペコンと下げた。それを見たジーナはやっと口を開いた
「バカ!こんなヤツに挨拶なんていらねぇー。おいホルン!こっちは忙しいんだ。用が無いならさっさとどっかに行け」
と怒鳴り「それからな!」とジーナはホルンに向けて指を刺して言った。
「お前みたいなヤツを親友にもった覚えはねぇ」
するとホルンはくっくっくと喉を鳴らしながら答えた。
「そうだよなぁ、親友どころか友達すらロクにいないからなぁ、しかも今は力がなくなってオロオロする弱虫くんだからなぁ」
言い終わるとひゃひゃひゃっと耳障りな声で腹を押さえて笑いだした。
ジーナも性格が破綻してるけど、このヘビみたいな男も根性が曲がってるなとリンは思った。
もちろん声には出さなかった。ジーナとホルン以外の人間が口を出してはいけないような空気があたりを支配していたからである。
眼光を鋭くしてジーナがボソリとつぶやいた。
「お前、まさか俺の邪魔しにきたのか?」
「ああそうだ。負け犬は負け犬らしく俺の足元で這いつくばっていりゃいいんだよ。そうだろ?ジーナァ」
右腕をすっと上げるホルンに反応するように、後ろに控えていた3人の男が一斉に漆黒の翼を体内から出した。すると、不可視の力が三方からジーナを拘束する。右手、右足、左足と3人の男が〈念〉の力で押さえつけたのだった。
「あぐぅ!」
いくらジーナでも3人の〈念〉の力で押さえつけれられたので身動きが取れない状態になった。
そんなジーナにホルンは畳み掛けるように叫んだ。
「だっておかしいよなぁ?この前、ジーナは俺に負けたんだよなぁ?力もなければコントロールも出来ないんだよなぁ?なのに何故だ?なんで神官への道が残ってるんだ?神官になれるのは俺だろ?ジーナじゃないだろ?」
振り上げていた右手を目の高さにゆっくりと移動させ手の甲を上にすると、ホルンは自身の深紅の翼を出した。
「朱雀ぅぅぅ!」
ゴォっと音がして、ホルンの右手の甲から左右に紅蓮の炎が鋭く噴出しその後鳥の姿をかもし出した。
まさに、火の鳥である。灼熱の赤を全身に纏った炎の怪鳥であった。ホルンの『炎の具現化』能力が発動したのだ。
ゆらゆらと燃え盛る炎の明かりがホルンの顔面に怪しい印影を落とす。ホルンはジーナを見据えながら続けた。
「だからな?ジーナが核羽を見つける前に・・・・・俺が貴様を殺す。朱雀で焼き殺してやるよ。そうすれば、俺が神官だ!」
炎で作られた具現化されただけの朱雀と呼ばれた火の鳥がグエェェェとつんざくような鳴き声をあげ、一直線にジーナに向かってきた。
ジーナ、大ピンチ~~~Σ(-∀-;)
分かりやすい嫉妬心を燃やすホルンも、実は嫌いじゃなかったりして(●´艸`)クププ
ホルンを何とか倒して仲間になる展開もちょっと美味しいなぁ、とか思ってみたり。
そこらに落ちてるワケではないし~
こりゃ、二人が一緒にいる時にジ―ナがピンチにならないと
どうにも見つけられないよね。。。と気になっていたら
丁度いいところでホルン君の登場ww
次回、どんな場面が繰り広げられるのか とっても楽しみ!
薬草摘みをリンちゃんに押しつけて、そそくさと退場した
お師匠サマは・・・今いずこ?
何だか思いもよらぬ展開にドキドキでございますwww
バイロキネスは宮部みゆきの「クロスファイア」の印象か、厄介な能力だねぇーという感覚が(笑)
ま、ゴミを燃やしたりレンガを焼いたりして役に立てて下さい←違っwwww
こんなかなー・・あんなかなー・・自分の中で 妄想中です(笑)
ホルン 弱いものいじめじゃんかー。根性ねぇなw
実は、ホルンの持つこの炎の具現化能力は、とても気に入ってます。
主人公に使いたかったなぁ~~w
バイロキネス(念力放火)の能力には憧れがありますねw
内容にはまったく関係ないけど