雪太郎は女たらしだった。
彼は一見呑気なおぼっちゃんの見えるので、
会う人みんなに微笑んでいい人ねとよく言われる。
そして顔立ちもスタイルも整っているから言う事が無い、
ま～頭は私と同じ大学なので普通だろう。
私は雪太郎と付き合いが長いため彼の女性遍歴をよく知っている、
女性うけをイイことによく彼女が何回も変わって来たのも知っている。
彼に泣かされた女の人をどれだけ見てきた事か、
雪太郎の口から出てくる言葉は夢のように女の人を包むのだろう。
私からすればそんな言葉はウソ以外の何物でもない、
そのくせ雪太郎は多くを語らないからウソがばれないのだろう。
いゃ、ウソは付いていないのか。
その場でそれらしき楽しい言葉ぽつりと言うものだから、
今時珍しい口数の少ない青年に見られるわけか。
そしてかえって落ち着いた方ねなんて感心されたりなんかする、
私は誰かにこの事を知ってほしくてたまらない。
もうすぐ彼、雪太郎はがやってくる。
そしてその後に女の子もやってくる、その女の子こそ、
私が以前からよく思っていた幸子なんだ。
どう言う訳か三人で会う事になったけど、きっと雪太郎のやっ、
また上手い事言って・・いゃ・・上手い事言わずに幸子の気をひくんだろうな。
あぁ、雪太郎が来た、
またキザなシャッ来て妙に似合っているのが悔しい。
「待ったかい、チョットさ幸子の事知っている？」、
当然知ってるさ、密かに思いを寄せていたんだから。
でも雪太郎には「いゃ、知らないょ」と言っておいた、
「そりゃあ、美しいお嬢さんでさ。いつものようないい加減な態度はやめてくれょ」。
雪太郎の首を絞めてあの世に送り込んでやろうかと思ったが少し我慢した、
「そっか、彼女が好きなのか？」。
「いゃ、そうではないが彼女が君に会いたいって、声をかけられてさ。
僕と君が話をしている所をよく見ていたらしいから」、
なに！、私にも少しは望みありなの？。
「きっと何か専門についての何かだろう？」、
「なんだょ、そつちかょ帰るかな？」「そう言うなよ、ランチおごるからさ」。
そんなこんなしている所に幸子嬢登場！！。
テラスに、そよ風にのって花びらが舞いおりて来たかのように思わせる人。
「お待たせしてしまったかしら？」、「いえいえ、ちょうど頃合です」。
そうかょ、一時間も前に来て打ち合わせしてたくせに。
私は幸子の目線の先には雪太郎はがいた、やっぱりそっちかょ。
「いゃあ、びっくりしましたょ幸子さんから声をかけられた時は」、
「ごめんなさいね、驚かせてしまって。でも、それしかないと思って、
雪太郎にお会いするのは」。
なんだょ、やっぱりそっちか、
「雪太郎さんに一目ぼれです」私は終わったと思った。
二人で会えょ、人の事ダシに使って。
もうここは頭に来ていたので私は幸子に言いたい放題雪太郎の悪口を言った、
ちっせい男だ、何か自分が情けない。
「雪太郎お前彼女いるじゃん、幸子さんと付き合えないだろう？」、
「別れたょ」「いっだょ昨日違う女の子と一緒だったじゃん」。
「私、それでもいいです」はぁ、もうどでもいいゃお好きにドウゾ。
これ以上私は何も言う事はなかった、
雪太郎と幸子はその後付き合い始めた。
中々幸せそうだった、雪太郎と幸子ならお似合いなのかもしれない。
そして、一年がたっただろうか。

雪太郎からいきなりの電話で私は呼び出された。