コスモナイン(9人の賞金稼ぎ) 4
- カテゴリ:自作小説
- 2013/07/30 08:44:16
フライマンは、左右を見たが何も居ない。でも確かに手に衝撃があって銃を落とした。
「いてっ!」
今度は娘をつかんでいる手の方に衝撃があって、思わず手を離してしまった。
「なんだこりゃ!」
束縛を解かれた娘はサイクロンジョーの方に猛然と走った。サイクロンジョーは駆け寄って来た小さな娘を抱き上げた。
「ホタル!来てくれたのか。」
何も無い空間に陽炎のようなもやもやが現れた。そのもやはやがてクリスタルのような透明な形になった。それはクリスタルの人間だった。透明だが髪の長い美人の女性だ。透明な体のあちこちがクリスマスツリーの電球のように赤、青、緑、黄・・・七色に光りだした。
「ジョー。来ちゃった。」
ホタルは妖精星人である。妖精星人は体を透明にする特殊能力を持っている。感情の起伏で七色に輝いたりするが、普段は美しい白肌の人間である。
「ホタル、助かったよ。蠅にたかられるところだった。」
「この野郎!」
武器も人質もなくなったし逃げるしかないな!
そう考えたフライマンは腰のベルトの丸い物をつかんで放り投げた。
バーーーーーン
白煙があがった。煙幕爆弾だ。目の前が真っ白になった。
煙に隠れて、フライマンは奥の手の蠅の羽を出した。
ブーーーーーーン
フライマンは空中に飛び上がると摩天楼ホテルの非常階段へと逃げ込んだ。
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