Nicotto Town


連続冒険小説 霊験導師わむたん


ジャッジメントシャドウ✰影の裁判官(1)

パララ・・・ラ・・・ラララ・・・

爆音を響かせて、暴走族の一団が山奥の道を走って来た。

「翔、この辺の寺に天寿観音の像があるはずだ。」

「颯太、テメェほんとうに観音の首を盗れるんだな?。」

「ああ、おれっちに盗れないものなんかねえんだよ。」

横から、ゲラゲラ笑う声が聞こえる。

「悠真、テメェもなめくさるんじゃねえぞ。」

翔と呼ばれた男が悠真のバイクを蹴った。

「なにしやがる!」

悠真が翔を殴ろうとした時、「天寿観音だ!」と颯太が叫んだ。

前方に小さなお寺があり、その境内に小さな祠が見えた。

「ほんとにあるじゃねえか。」

颯太は、かなづちを取り出すと祠の中に安置してある天寿観音に近づいていった。

御霊寺は、その昔飢饉が起きた時に鎮める為に建立された天寿観音を祀っている山奥の秘寺である。

天寿観音は、祠の中に人々の平安を祈るように燦然と輝いていた。

颯太はかなづちを手にジリジリと近づいていく。

そして、かなづちは振り下ろされた。

バキッ・・・鈍い音を立てて天寿観音の首は折れてしまった。そして、首は地面に転がった。

「ひゃひゃひゃ・・・やっちまった。やっちまった。」

悠真は、愉快そうにニヤニヤしている。

その時、御霊寺の方から悲鳴があがった。

「あなたたち、なにをしてるの!!!」

御霊寺から若い女の子が飛び出してきた。



(お願い:他にも公開していない小説をたくさん書いていまして順次パブーなどでペンネーム☆千葉広明☆名義で電子書籍化販売予定なので、くれぐれもコピーはしないで下さい。作品の模倣、一部の複写等の行為はご容赦下さい。模倣、一部の複写などが確認された場合、図らずしも法的対象になりますのでご注意下さい。☆この作品の著作権は千葉広明プロダクションに帰属します。)




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