Nicotto Town


連続冒険小説 霊験導師わむたん


蝦蟇丸地雷也変化✡がままるじらいやへんげ(1)

眩しい朝日が射しだした明け六つ時(6時頃)、菅傘を被った女性が街道を急いでいた。

この街道は川沿いに続いていたが、辺りには草木が生い茂っていた。

その女性の後ろを密かに後をつける者があった。

女性は何食わぬ顔で歩いていたが、いきなり猛スピードで走りだした。

そして追跡者も走り出した。

女性のスピードはかなりのものであったが、追跡者はかなりのてだれらしく追いつかれてしまった。

「私に何か御用でしょうか?」

女性は立ち止まると振り向きざまに言った。

「蝦蟇(がま)の里の陽炎(カゲロウ)だな。その懐の密書を渡してもらおうか。」

「おまえは大蛇族(おろちぞく)だな。」

陽炎は苦無(くない)を構えた。

「そうだ。おれは縄使いの格子(こうし)だ。」

そう言うと、格子は手の袖から縄をくりだした。



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