Nicotto Town


✪マークは作り話でし


悲しい瞳

私の彼女は今どき珍しい切手収集家だ
よく部屋の中で
コレクションケースから出して
並べ替えたり
しげしげと見つめたりしている
それもかなり時間をかけて
楽しんでいるのだ
もうひとつの楽しみも一緒に
それはアイスである
アイスを食べながら切手の整理をする
何よりの娯楽だと言う
個人の楽しみにとやかく言う気はない
その人が楽しければ
それでいいのだから
私もその作業を見ているのも楽しい
何せそのくせのある表情に哀愁さえ感じる
切手もかなりの枚数になっている
今日もアイスを食べながら整理をしていた
アイスはというとお徳用ジャンボサイズで
小皿に取り分けて食べる
私はというと邪魔にならないように
部屋の隅にソファーを移動して
いつものようにアイスを食べながら見ていた
コロナということもあり
適度な換気をと思い
彼女が窓を開けた瞬間
何の悪戯か風が部屋中吹きまくりである
彼女の可愛い切手たちは部屋中に散った
慌てて窓を閉める彼女
私はというと動いちゃまずいかなと
身をかたくした
ふと見ると今食べていたアイスの中に切手が見えた
とけかけたアイスの中にゆっくり沈んでいく切手
慌てて救い上げたが
ぐちゃぐちゃである
それをみた彼女の悲しげな瞳を
私は忘れないだろう
そして何事もなかったように
切手整理の作業は続いた









アバター
2022/01/26 19:26
悲しい瞳の原因が
風に舞い散った切手の仕業だったとは。。。
アイスだけにヒヤッとしましたね。
アバター
2022/01/25 23:35
彼女もぐちゃぐちゃになった切手も可哀そうになった。・。
。。・・。
アバター
2022/01/25 23:04
「切手の整理」と「アイスを食べる」の二刀流は、いつかは事故が起こる気がします・・・^^;



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