そうっと・そうっと、
あの子はそういって静かにキャンドルに火をともします。
うふふふふふ、にひひひひひひひひ。
あの子はそういって笑うんです。
アロマのキャンドルは、
恥ずかしそうにユラユらと揺れる。
ぷるるん、ぶるぶるるん。
あの子は小さな手を振り回して、
星のかけらをばらまきます。
きらきらり・...
✪マークはメルヘン・ファンタジー・人間模様の小話でし
そうっと・そうっと、
あの子はそういって静かにキャンドルに火をともします。
うふふふふふ、にひひひひひひひひ。
あの子はそういって笑うんです。
アロマのキャンドルは、
恥ずかしそうにユラユらと揺れる。
ぷるるん、ぶるぶるるん。
あの子は小さな手を振り回して、
星のかけらをばらまきます。
きらきらり・...
何かが違うと思っていても、
口に出せないことが少しずつ増えている。
私だって自分の答えが正しいと、
言い切れるわけじゃないけど。
なんか悲しいね。
そんな時、
私の心の中からいきなりハテナくんが飛び出してくる。
けれど、
彼は何も言いません。
ただ黙って私を見ているだけ。
「君の気持ちは僕が知っ...
たまゆら、つかのま。
この古い日本語が耳に飛び込んできた。
"たまゆら"は、
球と球とが触れ合ってかすかな音を立てるその瞬間のこと。
つまり、ほんの短い時間のことである。
たまゆらに 昨日の夕 見しものを 今日の朝に 恋ふべきものか
万葉集にこんな歌がある、
昨日の夕べほんの...
たった5分歩くだけで、風のちがう場所に出る。
書店へ向かう道が好き。
途中で黄昏てた頃の私と出会う、あの頃も楽しかった。
だけど、今の方がもっと好き。
その先には、よく通ったきっちゃ店。
卵サンドが美味しいの。
壁に書いた落書きはもうないけれど、
目を閉じればすぐに現われる。
扉を開けて、ふいにあな...