その少女の名はうらら。
正面から見ると、とても幸せそうに見えた。
けれど横顔は、男性のような強さを持っている。
私はそれを木炭で描く。
出来上がった絵は、
似ているけどまったく別の内面をかくしている。
そのうららをはじめて見たとき、
私はずっと前に事故で亡くした少女の面影を重ねていた。
少女が生...
✪マークはメルヘン・ファンタジー・人間模様の小話でし
その少女の名はうらら。
正面から見ると、とても幸せそうに見えた。
けれど横顔は、男性のような強さを持っている。
私はそれを木炭で描く。
出来上がった絵は、
似ているけどまったく別の内面をかくしている。
そのうららをはじめて見たとき、
私はずっと前に事故で亡くした少女の面影を重ねていた。
少女が生...
はちきれそうで華やかな気球には、
三つの運命がある。
一つ、
大空に舞い上がりどこかへ飛んでいってしまう。
二つ、
突然に破壊し跡形もなく消える。
三つ、
静かに存在しゆっくりゆっくりとゆっくりしぼむ。
豊かで華麗な人生も、
こんなふうかも知れない。
先に磨くのは上の歯か、
それとも下の歯か ? 。
先に来るのは三番バスか、
それとも五番のバスか ? 。
先に出るのは魚の甘酢あんかけか、
それとも若鳥の唐辛子の油炒めか ? 。
先に来るのは左側のエレベーターか、
それとも右側のエレベーターか ? 。
街の雑踏の中、
こっそり楽しむ私だけの...
海をイメージして、
青いソファーを買いました。
壁には大きな鳥を一羽、
墨で一気に描いた幻想的な絵を飾って見ました。
レモンバームの鉢植えをまとめて買って、
庭に植えました。
刻んで熱湯を加えると、
香りの高いお茶になるのです。
大きめのマグカップには花畑の絵がついている、
お揃いのポットも欲...
グラスを持って
いつもの場所で
不思議なくらい黄色い月を
見上げている私
口に含んだ氷のように
哀しみもいつか溶けてしまうだろうか
そんな事を考えていたら
今
月が私を笑ったような気がした
不思議なくらい黄色い月
闇夜を照らしてくれる
でも気づいてほしい
そのそばで小さく光っている
私の事を