ここから見える、あの信号を止まらずにわたりきることができたら。この恋は、成就するのではないかと。そんなひとりごとを言いながら、歩いている雨の日。
✪マークはメルヘン・ファンタジー・人間模様の小話でし
ここから見える、あの信号を止まらずにわたりきることができたら。この恋は、成就するのではないかと。そんなひとりごとを言いながら、歩いている雨の日。
買い物帰りの近くの公園を、夕暮れ時が染めてる。誰もいない公園のブランコ、風に揺れてまるで子供がこいでいるよう。子供の頃によくブランコをこいで、歌を歌っていたのを思い出した。たしか漕いでいるブランコの前には、少女がいて私が大きくこいでいるのを見ていたのを覚えてる。今はどんな女性になっているだろうと、そ...
人は生きている間に、何人の人を好きになるのだろう。なぜ恋をする、なぜ片思いが存在するのだろう。心理学の難しい本を読むとその答えが書いてあり、その時はそうだと思うけど感情の前に知識は無力だ。なぜあの人はわたしに恋をしなかったのだろう、なぜわたしを好きになってくれない人を追いかけるのだろう。いつも思う、...
暇してるからおいでょ、と友人からの誘い。私が暇なのをよくご存じのようで、玄関で迎えてくれたのは太り気味の猫。家の中に入ろうとすると、少し不機嫌そうに笑う。友人の飼い猫はいつもこうして出迎えてくれる、私は慣れっこなので相手にもしないで奥へ。畳の上にゴブラン織りの絨毯と西洋テーブル、いつもながらミスマッ...