霜がおりて、
とけはじめて無数の水玉になり落ちていく。
あの時も、
あの日も、
どこかに旅をする水玉。
そっとひと粒、
手のひらに入れる。
あらわれては消えて、
またあらわれる水玉。
それはいつもいつも、
ただ気になるものとして、
この視界の片隅に、
存在しては消えていく。
✪マークはメルヘン・ファンタジー・人間模様の小話でし
霜がおりて、
とけはじめて無数の水玉になり落ちていく。
あの時も、
あの日も、
どこかに旅をする水玉。
そっとひと粒、
手のひらに入れる。
あらわれては消えて、
またあらわれる水玉。
それはいつもいつも、
ただ気になるものとして、
この視界の片隅に、
存在しては消えていく。
雨なので、私はかなり退屈してた。
カッパを着た伝書コンドルが世迷言をいいながら入ってきた、
「伝言ダッピョ」それは私の弟子のカントトからの手紙だった。
内容はと言えば、
赤い鳥郵便公社の角を曲がって道なりに進むと、
火星が出てる方向にアイスクリーム工場の時計塔が見えてきたら、
そこで立ち止まって左前...
いつもの酒場で待ち合わせ、
と言いながら飲み会ナンデスノーーーん。
ここのマスターは話上手だ、
「マスターって大嘘つきだょね」飲みながら私は絡んだ、
「はぃ、ほんと大嘘つきですょ」笑いながらマスターが答えた。
マスターは客を飽きさせない、あきれるほど嘘が上手だ。
今見てきたような嘘を何のためらいもな...
午前9時過ぎ、太陽はサンサンと私の家をあたため始めてる。
わたしはと言えばまだ夢の中を彷徨ってると、
家のベルがジャッパンベルミーーンと鳴る。
これは私の悪友がドイツのオミヤゲで買ってきたもので、
それを私が寝てる間に勝手に付け替えたのだ。
それ以来、私の家のベルはこの奇妙な音が鳴り響く。
最初は戸...
あなたが私を好きだったなんて知らなかった。
全然、気づかなかった。
本当に。
遊園地で抱きしめたのも、
そうしたかったからしただけで、
私はあなたが好きではないわ。
好きではないと言うか・・・、
嫌いじゃなくて、
どちらかというと好きだったけど。
それもさっきまでょ。
全然、愛してないわ。
そん...