頭の中ではうまくいくのに
どうして現実にならないんだろう
✪マークはメルヘン・ファンタジー・人間模様の小話でし
三日月が笑ったような月になる夜、
彼女は睡蓮の花を小脇に抱えてあの人のもとに向かった。
あの人と歩いたことが今でも夢のようだ、
そしてお付き合いできるなんて。
足元には虫たちの合唱が聞こえる、
まるで私たちを祝うかのように。
そういえばあのとき彼は何か言いたそうだった、
私はそれを聞きたかったけど怖...
その彼女は、水玉のワンピースがお気に入りだ。
彼女はポケットからばらけたネックレスの粒をとり出し、
手のひらに乗せた。
べっ甲飴の色をした、少しいびつな球だ。
一粒ずつ色合いが違う、
縞模様が浮かんでいるものもある。
「これ、琥珀の球なの」
地面のずっと深いところから採れる宝石で、
蟻や小鳥の羽が入...
当時はガーデニアって、
何の花のことだか知らなかった。
従妹から聞いてわかったんだけどね、
西洋梔子のことをガーデニアと呼ぶ。
梔子と言えば、梅雨時に甘く匂う花だ。
その夏の香りを真冬にまとわせて、
その従妹はやってくる。
家の中に微かな梔子のコロンの匂いが広がる、
従妹が座っていたソファに近づくと...
私が幼いころ、
母がよく作ってくれた薩摩芋のおやつ。
薩摩芋を煮るのに、
レモン風味をつけて梔子の果をくわえる。
鮮やかな黄色にしあがり、
華やかな気分になる。
たまに食べたくなる、
食欲の秋だ。