昔の日本では父親の座る場所が決まっていて、
椅子や座布団がひとつだけ特別なんて光景があった。
それだけ特別な存在だった父親、
わたしの家にも父親の特別な椅子がある。
小ぶりだが座り心地はすこぶる良い、
居場所としての椅子と言う考え方にそれほど抵抗はないはず。
それなのに、
自分の居場所たる椅子にこだ...
✪マークはメルヘン・ファンタジー・人間模様の小話でし
昔の日本では父親の座る場所が決まっていて、
椅子や座布団がひとつだけ特別なんて光景があった。
それだけ特別な存在だった父親、
わたしの家にも父親の特別な椅子がある。
小ぶりだが座り心地はすこぶる良い、
居場所としての椅子と言う考え方にそれほど抵抗はないはず。
それなのに、
自分の居場所たる椅子にこだ...
仕事も終わり、のんびりとハイボールのグラスを傾ける。
酔った勢いでポケットから出したのは、ひとりで食べようと思ったコンペイトウ。
改まって説明の必要もないと思うが、
小さな粒を核として糖衣を重ねていった砂糖菓子である。
不思議とたまに無性に食べたくなる、
たくさんのツノの可愛らしさに子供時代魅せられ...
生まれる前に見ていた夢
睡蓮が浮かぶ淡い眠りの水の底に
囁くように聞こえてくる
エトランゼたちの夢の木の話
いつかひとりで歩けるようになった時
風の強い日にわたしは街を出た
ぺんぺん草のゆれる緑の丘で
月明りにのびるあの夢の木
だからわたしは夜を歩く
琥珀のランプをくれたロビンソンは気の合う友達...
古い万年筆をいただきました、
手入れをしてなかったようでよく書けません。
せっかくいただいたので、
キレイに洗浄してメンテナンス。
万年筆にインクを入れる、この匂いが好きだ。
便箋の紙の匂いもいいけど、インクの匂いの方がいい。
スラスラと書けるようになった、友達に手紙を書いてみる。
何て書こうか、い...
あなたの笑顔は少し哀しい、
やさしすぎて。
他の誰かを傷つけることができずに、
誰よりも哀しそうに笑うね。
あなたの声は時々変わる、
自分を押さえようとして。
それから、
みんなに愛されようとして。
あなたの言葉はいつも正しい、
その言葉で傷つく人がどんどん増える。
あなたの嘘はすぐに見抜ける...