ムラサキ科の植物で香水の原料でもある花の名前だ、
この響きが好きでたまに一人で連呼している。
もともと変な奴だから独り言なんて毎日のことなので、
あまり気にしないのだが。
初めての人は面食らうらしい。
特に喫茶店など、人が集まる場所で連呼してしまうと大変だ。
「なんなのそれ ? 」とかはじまる、
知...
✪マークはメルヘン・ファンタジー・人間模様の小話でし
ムラサキ科の植物で香水の原料でもある花の名前だ、
この響きが好きでたまに一人で連呼している。
もともと変な奴だから独り言なんて毎日のことなので、
あまり気にしないのだが。
初めての人は面食らうらしい。
特に喫茶店など、人が集まる場所で連呼してしまうと大変だ。
「なんなのそれ ? 」とかはじまる、
知...
夕方、街並みの一軒の家から豆まきする声がした。
大きな窓から中を見ると、
鬼のお面をつけたお父さんに子供たちが豆をまいていた。
「鬼は外、福はうち」
歓声が、冬の空の下に響いてた。
節分は季節がわかれる前日のことを指し、
立春・立夏・立秋・立冬と年四回ある。
それが、今では立春の前の日だけ節分と呼ぶ...
引き出しを開けると、
そこにあるのは小さな不思議な世界。
カレィドスコープ・・・万華鏡だ。
この美しくて同じ模様には中々ならない、
玩具を大人になっても私は集めている。
遊園地の売店や夏祭りの出店などに行くと、
必ず見かけたこの玩具の万華鏡だが。
しかし、この玩具も姿を消しつつある。
あの三角形の筒...
金色の月が、
琥珀色した海を照らしてる。
銀色の小さな船の中に、僕は君と二人。
寄りそったまま、眠りについた。
風もない波もない音さえもない、
ただ優しい光が廻りを照らしてる。
時間がとまっているような、この世界。
永遠に光る、一瞬の時間を教えてくれる。
僕たち二人、寄りそったまま永遠の...