扉を開くとすぐ目の前に巨大な望遠鏡カッイが現れた、
その姿は想像以上で僕とロンの気持ちを高揚させてくれた。
この地で100年も前から宇宙とつながっている場所、
それだけでも胸の高鳴りを感じてしまう。
天文学者は一人ひとり自分の星をもっていると言う、
観測所は自分の星との孤独な対話だと。
確かにそうだ...
✪マークはメルヘン・ファンタジー・人間模様の小話でし
扉を開くとすぐ目の前に巨大な望遠鏡カッイが現れた、
その姿は想像以上で僕とロンの気持ちを高揚させてくれた。
この地で100年も前から宇宙とつながっている場所、
それだけでも胸の高鳴りを感じてしまう。
天文学者は一人ひとり自分の星をもっていると言う、
観測所は自分の星との孤独な対話だと。
確かにそうだ...
悲しい時 心は青く青くなる
静かにあなたの心を受け止めて透明にする
そして 赤と火のような心に変える
強く燃えて 火の子を散らして進む色
黒く燃えかすだけがのこる 黒い夜
朝が来て 新しい色があなたを染める
うきうきと オシャレな かわいらしい色に
桃色 花のように光るウインクをしながら
自分を忘れ...
うっそうとした緑の中、草の匂いを胸いっぱいに吸い込みながら歩いて行く。
真昼の構内はまるで人けがなく、眠ったように静かだった。
ふいにぽっかり開けた草原に出た、足元に揺れる薄紫のツリガネソウがキレイだ。
振りかえるとかくれんぼで見つかってしまった子供みたいに、
鼠色の怪しげなドームが木立の奥からこち...
窓の外は一つとして同じ形のない雲、
病院の窓から毎日雲を探して眺めていた。
雲がもくもくと形を変えて流れて行くのを見ては楽しんでいた、
雲と言うのは色んな形に見えたりする。
たとえば大きな鳥みたいなものがあれば、
ラクダのようなものもあり、人の横顔のような物もあった。
僕が一番気に入っているのは女の...
彼の仕事が忙しくなるにつれて、
一緒に会うという簡単な事がとても難しくなってきた。
そして、
一人の時間を「昔の事を思い出す」事に費やすのが多くなった。
まだお互いが学生だった頃、
あなたの家の近くにあるカフェとも呼べない喫茶店で、
一日中を使って、お互い気になる本を持ち寄って、
勝手に読むのがデー...