フェイトブレイカー! 第一章2
- カテゴリ: 自作小説
- 2011/10/01 15:13:41
賢者の学院。
確か師匠はこの三つの塔をそう言っていた事がある。
ようやく目的地に辿り着いたアロウは、感慨深げにその塔を見上げていた。
目測から15階建てくらいのその塔は、
町中で見かけた王城や神殿などよりも存在感を放っている。
やがてアロウは意を決し、一番近い塔の入り口へと足を運んだ。先程の町での...
ニコッとタウンにあるキラキラを何処で手に入れたかの(ほぼ毎日)報告。あと、ニコッと関連の話をいくつか。
賢者の学院。
確か師匠はこの三つの塔をそう言っていた事がある。
ようやく目的地に辿り着いたアロウは、感慨深げにその塔を見上げていた。
目測から15階建てくらいのその塔は、
町中で見かけた王城や神殿などよりも存在感を放っている。
やがてアロウは意を決し、一番近い塔の入り口へと足を運んだ。先程の町での...
爽やかな秋風が辺りを吹き通った。
“賢者の国”とも呼ばれるイルミナへと向かう隊商の者達にとって、
その風は、歩き通しの一行にとって一服の清涼剤でもあった。
そんな中、最後尾を歩く一人の少年が問うた。
「誰か教えてくれ。あとどれぐらいでイルミナに着く?」
「…そう...
-そして。陽暦1205年9月20日その夜、アロウは塔の屋上に出て、満月の夜空を見上げていた。
月やその周りで輝く星々。
“吸血衝動”が湧き上がる危険はあるものの、
アロウはその光景が大好きなのだ。
幸い、今日はそれは湧き上がる気配はない。
「-綺麗だな。夜空の星々も、満月も」...
『7歳の満月の夜の惨状』
フェムトはその出来事をこう名付け、明くる日にアロウに尋ねてみた。
アロウは「覚えてない」と真顔で答え、師匠から事情を聞かされると
「ごめんなさい」と涙を流した。
その日からフェムトは、日々彼の成長ぶりを書き綴るようになった。
(後にこれは『フェムト・レポート』として、賢者の...
「…それから先は覚えてません。ただ、逃げるのに必死で…」
「そしてここに辿り着いた訳じゃな」
フェムトの言葉にリトルスノーは頷いた。
そして、目を伏せ俯いたまま、彼女は言葉を続ける。
「私がもう人間じゃない事はわかってます。
そしてもう元には戻れない事も。
でも&he...
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