日本百名山 ~BSプレミアム~ ②
- カテゴリ:レジャー/旅行
- 2020/12/01 00:01:23
こんばんは!1日(火)は北海道から山陰にかけての日本海側で雲が多く、
雨や雪の降る所があるでしょう。南西諸島も雨の降る所がある見込みです。
その他の地域は概ね晴れるでしょう。
古から続く
修験の道
国宝五重塔
標高1400m
広大な湿原
真っ盛りの
紅葉
錦に染まる 生まれ変わりの山
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出羽三山
〇ガイド 芳賀成史さん
この地で生まれ育った芳賀成史さんは月山の頂上に建つ山小屋の三代目。
出羽三山で山伏として修業にも励んでいます。
前回は寺院の礎石の跡までご紹介でした。
今回は松尾芭蕉のゆかりの地からご紹介致します。
<山旅スケッチ> 芭蕉ゆかりの地 南谷
ここで山旅スケッチ。
江戸時代の初め、松尾芭蕉は奥の細道の道中で
初夏、南谷に立ち寄りました。
〇松尾芭蕉(1644年-1694年)
その時に詠んだのがこの一句。
「有難や雪をかほらず南谷」
なぜ?芭蕉は夏なのに雪のことを詠んだのでしょうか?
〇出羽三山歴史博物館
その答えはこちらの博物館にありました。
博物館の女性
「え~、芭蕉が来山した当時の南谷を表した絵だと思います」
現在は高い木々に囲まれていますが当時はこのように眺望が開けていて、
月山の姿が望めたんだそうです。
〇出羽三山歴史博物館 学芸員 渡部卓さん
「ちょうど芭蕉が多分、こう、いたその頃というのは
暑い夏ですから涼しい風がやっぱりこうきた時に
その風が月山の残雪を運んでくれたんだなということで
我々をこうしてこうなんて言うんですか
残暑から守ってくれるっていうことで
「有難や」という言葉がスムーズに出たんではないでしょうかねぇ」」
〇芭蕉が月山で泊まった笹小屋を再現(いでは文化記念館)
月山の頂上ではこうした笹小屋に泊まって参った芭蕉。
それは更なる俳諧の高みを目指す生まれ変わりの旅でもあったのです。
参道を歩いて羽黒山の山頂に向かいます。
芳賀さ~ん、鳥居が見えてきましたねぇ?
「うん、もうすぐですよ~」
ん?この音は?
〇羽黒山山頂(414m)
「太鼓の音ですね。あ~、ご祈祷されてるみたいですね」
羽黒山の山頂には山の神を祀るお社(やしろ)が建てられています。
〇三神合祭殿
*屋根葺き替え中
「ここに御参りすることによって一度死にます」
一度死ぬ?ちょっと怖いけど生まれ変わる為の第一段階なんですね。
「大勢の方いらっしゃいますね?
向こうの様子を見ると昔から信仰が受け継がれているなっていうのが
感じ取れますよね?」
1400年前から人々はここで祈りを奉げてきたんだ。
山旅の無事を願って。
羽黒山を後に月山へ。
月山に登ることは過去に戻るという意味があるんですって。
曲がりくねった道を車で登ること40分。
〇月山八合目(1390m)
登山口のある月山八合目に到着です。
「ご覧ください。庄内平野が一望出来ま~す」
一気にこんなに高い所まで登って来たんだぁ。
〇庄内平野
流石は米処の庄内平野。ちょうど今は稲刈りの時期だなぁ。
北には秋田との県境に聳える鳥海山。
〇鳥海山(2236m)
出羽富士とも呼ばれています。ホントに綺麗な三角の山だな。
「あそこは月山の頂上になります。
距離で約5km。まぁあのなだらかな山なんで
登りやすい山だと思いますよ」
〇月山(1984m)
登りやすい山か~。
のんびり行こう。それにしてもいい天気ですね~。
「最高ですよ」
登山道はすぐに木道に。歩くこと10分、湿原が広がってる~。
「はい、ここが弥陀ヶ原で~す」
〇弥陀ヶ原
「どうですか~?」
わぁ~、遠くまで見える~。いい眺めですね~。
「やっぱりこの草紅葉は綺麗ですね~」
ホントですね~。まるで田んぼで輝く蝗(いなご)みたい。
「雲上の庄内平野です」
まさに天空に広がる田んぼって感じ。
鳥海山をバックに空中散歩。気持ちいいな~。
弥陀ヶ原の名物は100以上あるといわれる池塘。
豊かな自然の象徴です。
何処までも広がる雄大な湿原。
いろんな形の池塘がアクセントになっていて面白いなぁ~。
初夏には一面お花畑になるんですって。その時にも来てみたいなぁ~。
弥陀ヶ原を後にゴロゴロとした岩場が続く登山道を登って行きます。
歩くこと1時間半、目の前に紅葉してきた山が見えてきた。
「さぁ~、どうですか~?綺麗でしょ~?」
ホントですねぇ~。
〇オモワシ山
こちらはオモワシ山。一見、月山の山頂と
思わしめるということでその名が付いたんですって。
「我々はあの紅葉の中をずうっと横切って山頂を目指します」
凄い。こんなに美しい綿の中を行くんですね~。
うわぁ~、道の両側を紅葉が埋め尽くしている~。
「素晴らしいですねぇ、時期的にドンピシャですよ。
ねぇ、日本庭園の中をこう散策して行くみたいですけど」
岩とのコントラストも素敵だなぁ~。
「綺麗ですね~。コミネカエデですね」
@コミネカエデ
あ~、色付いてるのはコミネカエデなんだ。
真っ赤に染まるものからオレンジ色のものまで
グラデーションになっているのはそれぞれ個体差があるからなんだそうです。
月山の秋が繰りなす綿の絨毯。その真ん中に延びる登山道。
まるで絵画に描かれたような世界が広がっています。
眺めのいいゆるやかな坂道を登って山頂を目指します。
「はい、見えましたねぇ、山頂にある神社があれです」
〇月山神社(月山山頂)
山頂はあそこかぁ。もう一息だな。
登山口から3時間、この石段を登れば山頂だぁ。
〇月山神社(月山山頂)(1984m)
「はい、到着しました。こちらが月山山頂、月山神社本宮になります」
やったあ。
「お疲れ様でした。
三角天は神社のすぐ近くに建っているそう。
雄大な景色の中に建つ神社。圧巻だな。
祀られているのはツキオミノミコトという神様です。
こちらにお参りすることは母胎に返ることを意味するんですって。
いよいよ生まれ変わりも近いなぁ。
芳賀さんはどれくらい生まれ変わったんですか?
「そうですね、かれこれもう数えきれない程生まれ変わっております」
いつも新しい芳賀さん、羨ましいです。
「そうですね、ピカピカでございます。じゃあ行きましょうか?」
は~い、私もしっかりお参りして明日の生まれ変わりに備えよっ。
<山旅スタイル> 緊急時に役経つサラシ
ここで山旅スタイル。
山伏として修業している芳賀さんに修験者ならではの工夫を
教えてもらいます。
「私があの、今かぶってますこれ、山伏がかぶっている衣装なんですが、
宝冠(ほうかん)っていいます。
これを実はほどきますと、まぁ一枚のサラシになるんですが、
特に緊急時にですね、非常に役に立ちます。
〇ケガをした時に使う包帯の代用品
ケガをした時には包帯の代わりに使います。
〇骨折をした時などに腕をつる三角巾の代用品
両端を結べば骨折した時などに腕を吊る三角巾に。
〇登山靴の底が抜けた時の応急措置
更に登山靴の底が抜けた時には応急の修理にも使えます。
「皆さんも登山の時にサラシを一枚準備されると
とても便利なので是非使ってみてください」
〇湯殿山参籠所
今回はここまでと致します。ここまでが一日目です。
次回はここから最終目的地の湯殿山神社に向かいます。
私もサラシのほうはなんとなくまでは分かっていましたが、
こうしていざ説明がありますと勉強になりました。
おっしゃりましたように、きちんと意味があるのですね。
昔の方の叡智は素晴らしいですね。