日本百名山 ~ BSプレミアム ~ ②
- カテゴリ:レジャー/旅行
- 2022/06/01 00:58:45
こんばんは!1日(水)は、北海道から東北北部では雨の降る所が多く、
雷を伴う所もあるでしょう。
東北南部から九州北部にかけては概ね晴れる見込みです。
関東甲信では午後を中心に所によりにわか雨がありそうです。
九州南部・奄美から沖縄にかけては曇りや雨となり、
所により雷を伴い非常に激しく降るでしょう。
特に、沖縄本島では、土砂災害や低い土地の浸水、河川の氾濫に厳重に警戒し、
落雷や竜巻などの激しい突風にも十分注意してください。
生命あふれる
清流
アケボノツツジ
彩る稜線
九州の山々
一望
命育む 曙の峰
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祖母山
〇自然観察指導員 工藤克史さん
5年前から祖母・傾山系など案内している
自然観察指導員の工藤克史さん。
地域の子供達にも地元の自然の豊かさを伝えています。
*撮影:4月下旬
前回は祖母山のちょっと渓谷沿いの生き物を観察したところまでの紹介でした。
今回は渓谷に潜む生き物の紹介から始めます。
<山旅スタイル>
渓谷に潜む生き物
渓谷に潜む生き物の見つけ方、教えてもらおう。
〇探すポイント①
枯れ葉がたまる水たまり
水溜まりには随分枯れ葉がたまってるな~。
「おっ、あそこ、細長い鉛筆みたいな棒が動いてるのが分かりますかね?」
え?鉛筆ですか?
「枯れ葉とか自分の体に纏(まと)って身を隠しながら生きてる
水生昆虫の幼虫ですね」
〇ムラサキトビケラ
*所蔵 岩手県立総合教育センター
ムラサキトビケラ、羽化すると6cmにもなるんだそうです。
落葉の下を探すと
〇ヤマアカガエル
「ヤマアカガエルがいます。
少し早めに、あの冬眠から目覚めてですね~、
卵を産んで、その後まだもう一度冬眠に入るという
ちょっと、あの不思議な生態を持ってるカエルなんですけども」
眠そうな目、これから二度寝するのかな?
「この辺り湿ってるのは分かりますかね~?」
〇探すポイント②
沢の近くの倒木や岩の下には
「ちょうどこういう場所にソボサンショウウオっていう
あのこの辺りにしか生息していないような、
あの種類のサンショウウオ、含んでることがあるんですね。
かなり珍しいので、ちょっと出会えるか分かりませんが」
「この辺りちょっといないのかな~?」
出てこないな~」
〇ソボサンショウウオ
*写真提供 永野昌博
この山の自然を良く知ってる工藤さんでも
なかなか目にすることが出来ないソボサンショウウオ。
いつか出会ってみたいな。
歩き始めて1時間
「この辺りはモミジとか広葉樹が結構生えてますね~。
凄い綺麗な鮮やかな緑ですね」
う~ん、風が気持ちいな~。
登るにつれ、どんどん森が深くなってきた。
何だか道も険しくなってきたな。
「この辺りから少し傾斜急になってきますので、
あの頑張って登って行きたいと思いますので、付いて来てください」
はい、頑張ります。
「結構岩場とか木の根っこを掴むと安定して登りやすいと思いますので」
分かりました~。
滑らないよう、気をつけてっと。
よいしょっ、よっ。
「よいしょ~」
登り始めて2時間半
「この辺りから少し森が鬱蒼(うっそう)としてきましたけど
その分色んな花も見れたりするのでちょっと楽しみに進んでみましょうかね」
明るい緑に覆われた尾根を登り、山頂へ続く稜線を目指します。
「あっ、ここお花凄い綺麗ですね」
ピピピピピ♪
白い花弁(はなびら)が陽に当たって鮮やか~。
〇ハイノキ
ピーピーピーピー♪
1cm程のハイノキの花、可愛い~。
「この時期はこういう小っちゃくて、
あの綺麗な白い花が沢山咲いているので
それが一つ、序盤で見れる魅力かなと思いますね」
鳥の囀(さえず)りを聞きながら登って行きます。
ピ~ピピピ~♪ ピッピピッピ♪
わぁ~、立派な木だ~。
「この祖母山はあのモミとかツガとか、
え~、そういった木がですね~、
標高1000mぐらいまで沢山生えてます」
木の根が尾根を覆ってる。
鬱蒼として森の深さを感じるな~。
「おっ、ちょっと左側の斜面、見てもらっていいですか?」
わぁ、綺麗なお花が満開。
〇ツクシシャクナゲ
「ツクシシャクナゲっていうお花ですね」
淡いピンクが素敵ですね~。
大きさは手のひら程もある。
シャクナゲって~、気品に満ちた淑女って感じ。
森の様子が変わってきた。
「標高がまぁ1200mぐらい超えてくると、
こういうブナの沢山生えてるような場所に出てきますね」
九州にもこんなブナ林があるんですね。
若葉が煌めいてる。
「よいしょっ」
工藤さん、何か見つけました~?
「あっ、いましたいます。
よいしょっ」
あっ、小さい虫。
艶々で黒光りしてる。
〇ツノクロツヤムシ
「これツノクロツヤムシという虫なんですけど、
特にこのブナの木の朽ち木に、え~、生息している生き物になります。
で、こういう風に中ちょっと穴が焦げてるの分かると思うんですけど、
この中で巣を作って木の中で一生を終える個体もいるぐらい、
あのもうブナの木が大好きな生き物ですねこいつは」
ブナなどの朽ち木に暮らすツノクロツヤムシ。
九州や四国の高山でしか見られないそうです。
ひたすら登り続けること3時間
「よいしょ~、ちょうど今、稜線に到着しました。
ここが今標高1400mなので、
もうえ~と、6合目7合目ぐらいまで来てる感じになりますね」
やっと稜線だ。
「え~、もう少しここからは緩やかな道になっていきます」
お待ちかねの稜線歩き、気持ちいいな~。
「おっ、鳥がちょうど目の前飛んでます」
あっ、可愛い。
山で暮らすヒガラ。
〇ヒガラ
春は子育ての季節。
動物の毛を巣の材料にする為、運んでるんですって~。
「おっ、ちょっと奥の方、見てください。
ようやくアケボノツツジが見えました」
わぁ~、これがお目当てのアケボノツツジか。
花は5cm程、山の奥深くでこんなに華やかに咲いてるんだ。
〇ツクシアケボノツツジ
「もう右も左もアケボノツツジで満開って感じですね」
まるでピンクのトンネルみたい。
「空とのコントラストがメチャメチャいいですね、青とピンクで。
タイミングがバッチリでしたね今回は。
だいぶ登って来ないと、あの見れないので、頑張ったお陰ですね」
祖母山の春を彩るアケボノツツジ、出会えて幸せ。
「だいぶ眺望のいい所に出てきましたね~」
やっと開けた。
「ちょうど今ここ見えてる稜線が、祖母山系の稜線ですね」
〇祖母山
「祖母山の山頂もだいぶ近く見えるようになってきましたね。
あの少し丸っこいポコッとしてる所が山頂ですね」
見えれば近い、もうひと踏ん張り。
ここで山旅スケッチ。
今回は祖母山の山頂が見えました所までと致します。
次回は悠久の大地の営みの紹介から始めます。