日本百名山 ~ BSプレミアム ~ ③
- カテゴリ:レジャー/旅行
- 2022/09/16 00:45:35
こんばんは!16日(金)は、九州南部でにわか雨となる所もありますが
九州北部から東北で概ね晴れるでしょう。
北海道は晴れる時間もありますが雲が多くなりそうです。
日中の最高気温は広い範囲で平年並みか平年より高くなるでしょう。
台風14号は日本の南を西よりに進み、17日(土)にかけて
大東島地方に接近する見込みです。
南西諸島は16日夜から雨となり、雷を伴って激しく降る所もあるでしょう。
岩場で生きる
生命
雪どけ水が育む花園
北の短い夏の輝き
花と岩の殿堂
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
大雪山系 トムラウシ山
*この番組は2020年9月に放送したものです
○山岳ガイド 大橋政樹さん
大橋政樹さんは、地元の新得町に住むガイド歴30年のベテラン。
トムラウシ山は厳冬期やバリエーションルートも踏破しているんですって。
*撮影:7月下旬
前回は八合目ぐらいの所までの紹介でした。
今回は大量遭難事故の紹介から始めます。
<山旅スケッチ>
大量遭難事故
2009年7月16日
○山に向かう救助隊
トムラウシ山にツアーできていた登山者が暴風雨の中を歩き続けて
低体温症を発症。
8人が亡くなりました。
大橋さんは一年後、遭難の検証の為、
事故の生存者と一緒にトムラウシ山に登ります。
「警察の事故調査でもう一度。
あの~、生き残った方達が一緒に歩きたいっていうことで」
○真鍋紀余子さん
その時出会ったのが真鍋紀余子さん。
登山の後、一通の手紙が届きました。
そこにはトムラウシ山への思いが書かれていました。
去年とは一変した山々はとても素晴らしかったです。
どっぷりトムラに浸かったという気持ちで満足しています。
私も安全に気をつけて山登りを続けますので。
手紙を読み、大橋さんは山への思いを新たにしたといいます。
「やっぱりあのこれからも登って行かなくちゃならないな~と思う。
それなりのね、そんなハードな山はだんだん登れなく
年齢的になってきますけど、山とはずっと繋がっていきたいなっていう気は
ずっと持ってますけどね~」
その後も二人の交流は途絶えることなく、
毎年一緒に山登りを続けているそうです。
八合目を後にまだまだ続く岩場を登って行きます。
「あっ、ここにコマクサが咲いてますね~」
へぇ~、こ~んな所に~?
○コマクサ(ピンク色のお花)
鮮やかですね~。
「寒暖の差が厳しい程、色も濃く出る感じです」
へぇ~~。
厳しい環境で美しさを増すなんて~、
流石高山植物の女王って呼ばれるだけあるな~。
標高が高くなったせいか、ちょっと冷えてきましたね~。
「え~、北海道の山は2000mの山もほとんどなんですけれども、
高緯度にあるので本州の3000mと同じ気象条件といわれています」
へぇ~、それでひんやりするんですね~。
ここで山旅スタイル。
<山旅スタイル>
低体温症を防ぐコツ
山頂部は高い木が無く、吹き曝(さら)しのトムラウシ。
体温を逃がさないコツを教えてもらいました。
「トムラウシの頂上付近は風の吹きっ曝しのとこになります。
一旦雨だとか風が強くなると、低体温症の危険が出てきます」
○低体温症 深部体温が35度以下の状態
低体温症とは通常37度程度に保たれている。
体の深部体温が35度以下になった状態をいいます。
「まずは、え~、基本となるのはレイアリング」
レイアリングは重ね着のこと。
三種類のウエアをこまめに脱ぎ着して、体温を維持する技術です。
○ベースレイヤー
下着となるベースレイヤー。
汗を吸収発散し、濡れたままにしない素材のものを選びましょう。
○ミドルレイヤー
フリーズなどの保温性の高い素材で出来たミドルレイヤー。
寒いと感じたら、すぐ着るようにしましょう。
○アウターレイヤー
雨や風から体を守る雨具などのアウターレイヤー。
外から水を通さず、内側も蒸れない、体を濡らさないものを選びましょう。
「次に大事になるのは食べることです」
カロリーの高いチョコレートやようかん、練乳などの行動食をこまめに食べ、
体から熱を生み出すことが大切です。
チョコレート 練乳
ようかん
「今言ったようなことを守って、
え~、低体温症に注意してトムラウシ山を楽しんで欲しいと思います。
トムラウシ分岐から山頂には真っ直ぐ向かわず北沼へ。
この先に大橋さんおすすめのお花畑があるそうで~す。
「雪渓が溶けて溜まった沼が見えてきました~。
高山植物にマッチしますね~」
沼の周りは雪融けを待って咲き誇る花々。
○チングルマ
(バラの仲間)
真っ白なチングルマ、群落を作って咲く登山者に人気の花です。
○エゾノハクサンイチゲ(白色のお花)
(キンポウゲの仲間)
雪融けしてすぐ咲くエゾノハクサンイチゲは夏の訪れを知らせる花。
○アオノツガザクラ(白色とピンク色のお花)
(ツツジの仲間)
まあるい提灯のような花を咲かせているのはアオノツガザクラです。
「風も雪渓あって爽やかに吹いてますね」
気持ちいい風ですね~。
「何か気分もいいですね~~。
景色も最高」
白い雪渓から流れ出す水。
雪解け水を湛(たた)える清らかな沼。
その畔(ほとり)を歩いて行きます。
見頃を迎える花達、ほんと花の盛りのいい時期に来られてよかった。
○ミヤマリンドウ(紫色のお花)
トムラウシ山の懐に広がる夢のようなお花畑を独り占め、
何て素敵な時間だろう。
やがて大きな岩の斜面へ。
険しい岩場の先に待っていたのは。
「北沼が見えてきました~」
標高1990mにある北沼。
真っ白の雪と紺碧の水面(みなも)のコントラストが素敵だな~。
今回は北沼が見えてきました所までと致します。
次回はいよいよトムラウシ山の山頂を目指します。