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かきくけこのブログ。


ゲシュ崩ログ 134 咳をしても

この年になって初めて、私は自分でもよくわかってないうちに、孤高の才能ある文人、みたいな人にものすご~い憧れがあるんじゃないのかな。という事がわかった。よく考えたら、うちの夫も文系だった。その才能でモテにモテまくったという太宰治という人物、なんでそこまでモテるんだろ。とよくわかってなかったけれど、なんとなくわかる程には一応まともな大人なのかな私も。
 というのも、寒くてくしゅん、と鼻をすすると、子供がいきなり遊んでいたのを中断して、お母さんの横に立って、何してるんだろ。とテレビ見てたら、お母さんの横で何かうぞうぞ動いている。何してるんだか。と思ってたら、背中をよいしょよいしょ、とさするような動きをしている。
「何してるの」
と聞いたら、
「大丈夫?風邪ひいたの?もーちゃんとご飯たべなさーーーい」
と子供に言われた。どうやら子供は、お母さんの背中をさすってあげてたみたいで。なんて優しいんだ…と救世主様…みたいな気持ちになりました。実際何も役に立ってはいないんだけど。その優しさが…将来看護婦になれまっせ。とか思ったりして。
 咳をしても一人。と孤高の俳人尾崎放哉が言ったというけれど。くしゃみをして、私はなんという果報者かな。というありがたみを感じる訳で。まぁ子供が背をなでてくれたからって、風邪は治らないし。実質一人なんですが、子供は風邪を治してくれないどころか、風邪の時でも休ませてくれない存在なんですが。(孤独な人のほうが風邪ひいてもそれを楽しめるというか)そう考えると、孤独ってなんだかそう悪いもんでもないんじゃ?とか考えたりして。わからないけど、子供の面倒みるという永久運動とは別次元のところでゆったりしている、みたいなイメージがあります。孤独って。孤独な人ってなんかかっこいいというか、余裕たっぷりというか。そういうイメージある。いつかなんだか大人になった暁には、自分も「咳をしても一人」とか俳句をかっこよく残したい…と思ってたわけではないんですが、自分には「咳をしても一人」という孤高のかっこよさは、一生出せないんだろう。という事を、子供のそばで考える時、なぜか自分の凡庸さを痛感したというか。孤独な人ってかっこいいな~と、子供に背中さすられて思ったわけです。孤高な詩人。そんな人ってかっこいいですよね…。面白いというか。孤独ってそうそう孤独な人って、ほんとに凄く実は珍しい存在って感じがするんですけど。どうなんですかね。よくわからないですが、孤独だ~って言ってる人ってカッコよいと思う、くしゃみをした日でした。
くしゃみでも 治すひまなく 働くよ
咳をしても一人。という一人っていったいどんな感じだったんでしょう。そんな境地の人にあこがれるほうの人間…という自分の凡庸さ。




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