日本百名山 ~ BSプレミアム ~ ③
- カテゴリ:レジャー/旅行
- 2023/01/23 01:08:38
こんばんは!23日(月)は、全国的に雲が多くなるでしょう。
西日本は午前を中心に雨や雪が降る見込みです。
東日本太平洋側は所々で雨が降り、山沿いでは雪が降る所もありそうです。
北陸から北日本は、昼頃から雪が雨の降る範囲が次第に広がる見込みです。
南西諸島は曇りや雨となるでしょう。
1300年の歴史
❝蔵王古道❞
いまも残る
信仰の痕跡
神が宿る頂へ
よみがえった信仰の道
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蔵王連峰 熊野岳
*この番組は2021年12月に放送したものです
〇山岳ガイド 石沢孝浩さん
地元山が経で生まれ育った石沢孝浩さん。
20年程前からガイドの仕事をしています。
*撮影:9月下旬
前回は三五郎小屋という山小屋で一泊のところまでの紹介でした。
今回はいよいよ熊野岳山頂を目指します。
2日目
う~ん、朝日が眩しい。
「やぁ~、綺麗だ。
ブナ林が何か生き生きとしてますね~」
開けた場所に出た。
実はここスキー場のゲレンデ。
「ここでね、え~、古道がちょっと分断されるような感じはしますが、
あの~道はしっかり残っていますんで。
え~、そこの道はしっかり辿(たど)りながら
熊野岳までね目指して行きたいと思います。
はい、じゃあ行きましょうか?はい」
ゲレンデを横断。
森 森 森 ゲレンデ 森 森 森
森 森 森 ーーーーー
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森 森 森 ーーーーー 森 森 森
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ーーーーー 森 森 森
森 森 森 ゲレンデ 森 森 森
蔵王古道を辿(たど)って行く。
はぁ~、傾斜がきつくなってきた。
「え~、いい坂だ」
「まぁこの~、コースの中で一番きつい坂道になっていますね~」
〇懺悔(ざんげ)坂(七合目)
「懺悔坂といいます」
七合目の懺悔坂。
厳しい道は昔から懺悔の場でした。
「あの~、昔の方もね、この坂を苦しみながら登って、
その自分の罪や穢(けが)れをね祓っていったんでしょうね~。
道中にこういう厳しい所があるからこそ、
その~、登った時の有難(ありがた)みっていうのが
出来るんじゃないでしょうか」
出発して2時間
〇地蔵尊(八合目)1660m
「はい、八合目の地蔵尊到着です」
おお~、大きなお地蔵さ~ん。
「やぁ~、大きいですね~。
凄い存在感がありますよね~」
江戸時代に造られた蔵王地蔵尊。
高さ2m。
今でも存在感抜群。
絵馬
現在ではこの稜線一帯の目印にもなっています。
「なかなかこうガスなんかかかると~、
ちょっと間違った方向に行っちゃいそうですが、
やはりここにお地蔵様がいらっしゃることで~、
目印となって、え~、そんな~ん者が減ったんだと思います」
山頂に向かって~稜線を進む。
「雲一つ無い青空、秋晴れですね」
既に標高は1600m以上。
鮮やかな紅葉の世界が広がる。
〇ミネカエデ
黄色く光るミネカエデ。
〇キンコウカ
オレンジ色の輝く草紅葉はキンコウカ。
「赤や黄色や緑、色んな色が混じってますね~」
〇錦秋(きんしゅう)の絨毯(じゅうたん)
「錦秋の絨毯を敷いたかのようですね~」
また道の雰囲気が変わった。
「は~い、ちょっと見てくださ~い。
あちらが熊野岳山頂ですね~」
〇熊野岳山頂
「緩やかな台地のような山頂になります~」
〇蔵王山神社
「そしてあちらが今回の古道の最終地点でもあります蔵王山神社になります」
あそこが目的地か?
もう一息。
岩がゴツゴツした荒々しい道を一歩一歩ゆっくり。
「は~い、あそこ見える所ね、あそこが稜線ですよ~」
いよいよ蔵王連峰の最高峰熊野岳へ。
「何か気持ちいいですね~、稜線歩いているだけでも」
出発して3時間半
「やぁ~、はい」
〇熊野岳(1841m)
「到着しました。
熊野岳山頂1841m到着です」
お疲れ様でした。
「は~い、お疲れ様でした。
ただね、ここが最終地点ではございませんので、
蔵王古道宝沢口の最終地点は蔵王山神社ですから
あちらの方で最後の参拝をしたいと思います」
ここが蔵王古道宝沢口の十合目。
〇蔵王山神社(十合目)
「はい、こちらが蔵王山神社、え~、社殿になります」
神社が建てられたのは奈良時代の直前、西暦708年のこと。
*建立の年代は諸説あります
以来水や農業の神として崇められてきました。
「麓からそれぞれ神様をお祈りしながら長い道のりを歩いて来たことによって、
やはりここで最終的に参拝する意味というのがあるんではないかと思います」
パッパッ♪
そして頂からの眺望。
「さぁどうでしょう。
素晴らしいですね今日は」
うわっ、凄~い。
〇飯豊(いいで)連峰
「正面を見てくださ~い。
あちら~飯豊連峰ですね~」
〇朝日連峰
こちらは朝日連峰。
〇月山
なだらかな月山(がっさん)。
〇鳥海山
さらに鳥海山も。
「山形を代表する山がグルッとこう囲んでるのが見えますね~。
これだけ天気に恵まれたっていうのは
やはり蔵王大権現様の御加護があったあったんではないでしょうかね~」
〇山岳ガイド 石沢孝浩さん
「ほんとに蔵王というのは、
あの奥の深い、う~ん、バリエーション豊かな楽しめる山だと思います。
今回の蔵王古道、まだまだそんなには知られてはいないと思いますんで、
是非一緒にですね~、歩いていただいて
体感していただければいいかな~と思います」
蔵王連峰に蘇った古の道。
かつて人々はこの道をどんな気持ちで歩いていたのか?
思いを馳せた山旅でした。
旅のスタートは山形駅から車で30分弱、
宝沢口登山口で石沢さんと待ち合わせでした。
歩き始めて10分、姥神様がおられました。
ここは一ノ木戸とも呼ばれておりまして、
山に入る最初の扉という意味があるそうです。
蘇った蔵王古道、周りには杉の木が広がっていました。
出発して1時間、行別れ地蔵に到着でした。
この先で道が蔵王温泉方面と熊野岳方面に別れることから
行別れと呼ばれるようになってそうです。
木漏れ日が綺麗で、階段がありまして登りやすかったです。
間もなく二合目、石沢さん達が道無き道を切り拓き直した所は終わりです。
垢離場という二合目に到着しました。
こちらでは汚れた垢を離れるという意味があるそうです。
そして、垢離場滝へ到着です。
湧き水が源となっています垢離場滝。
落差は10m。
あの絵馬にもっこで心身を洗い清める登山者の姿がありました。
このコース最大のアトラクション、丸太橋を渡りました。
そして結構道が険しくなってきました。
出発して4時間半、不動滝へ到着でした。
こちらは源義家が不動明王を祀ったそうです。
滝と杉の大木もあの絵馬にも描かれています。
道が平らになりまして歩きやすかったです。
ブナ平に到着しまして美しいブナの林をゆっくり進みました。
そして独鈷沼に到着でした。
独鈷で地面を掘ったところ、清水が湧き沼になったそうです。
一度は途絶えました蔵王古道、
いつまでも途絶えずにと感じました。
そして信仰もずうっと続いていくのであろうとも感じました。