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かきくけこのブログ。


ゲシュ崩ログ 449 宝島夫婦 娘が殺害

宝島夫婦が残忍に殺害された事件で、長女が逮捕されたと。


これは凄いですよね。親を殺す娘…。殺された方もですけど、殺したほうもどれだけ恨みつらみがあったのだろう?と、想像を絶する地獄があったのでしょう。作り話じゃなくて本当のニュースっていうところが現実世界怖すぎですよ。本当にそんな人が、いるだなんて。

五木寛之氏著 親鸞 黒面法師の親殺し

 五木氏の長編小説の親鸞という小説に、親を殺した男の話がある。親を殺すことは、十悪五逆の人間としてそうとう罪が重いとされている。人を救う仏教ですらも十悪五逆は救えない、地獄行き。と見捨てられていたという。そんな重い罪を親鸞聖人が救おうとしたという事なんですよね。その小説では。
 その小説の中で、両親を殺した黒面法師という人物がでてくる。この小説ですご~~~~く面白いな~と思ったのは、仏教がどうのじゃなくて、黒面法師さんという人物は、「自分は十悪五逆のワルなんだぜぇ~」って最後まで言い続けるんですよね。親鸞さんが「だいじょうぶだよ♪地獄落ちないよ♪」って言うのに、黒面法師さんは「いや、自分はワルだ……ワルなんだ…だから自分は地獄に行くんだ…自分は地獄にいくワルなんだーーーー」って、自分で自分を地獄行のワル、自分は絶対に救われない、自分が救われるならこの世は間違ってる…。自分が救われてはいけないんだ…

って、自分で自分を追い詰めていくんですよね!?

これが衝撃の、そして小説家さんの辣腕にシビれた人物描写で、面白ぉ…と私みたいなのが大興奮したところなんですよねぇ。

悪人は両親を殺した自分が救われる幸せになれるって言われて、喜ぶだろう!と思いきや、なぜかその悪人自身が自分自身を一番許せない、一番責めてる。自分の敵は自分…みたいな構造というか、悪人の精神的内面というか、そういう描写がしてあって、なんだこれは…と読んだ時にカルチャーショックだったんですよね。

悪人って、自分を責めて自分で自分をダメにしてるんだ!?

と思ったんですよね。親鸞聖人が「あなた救われますよ」って何度も重ねて言うのに、「絶対に救われたくない」みたいな…。なんだそのあまのじゃく?というか。逆にそのあまのじゃくブリが、むしろ本来の仏教の神髄を物語って、十悪五逆は地獄というその仏教者の定めを徹底的に順守しているというか、本来の仏教のルール厳守してるというか…その本末転倒ぶりというか。

十悪五逆の最大の悪人が一番「これはしたらダメだと思います。」って、「これダメよ」って、細かい細かいルール順守で、ダメ出しルールブックやってるっていう、この最大の矛盾に、もう、

爆笑~~~~~~
って笑いが止まらないんですよね。その悪人が悪人になった時点で、悪人こそ、細かい保守ルール守って自分を追い詰める人になっちゃうのか。という、この最大の矛盾というか、仏教がどうとかじゃなくて、この黒面法師の救われなさ、かわいそうさ、頭はいいのになぜか自分を自分で追い詰める、親鸞聖人と直接話して説教されても自分を救えない、と自分の意思で地獄に歩まされてる姿の描写に、

なんとも不思議すぎる皮肉すぎるものを感じたんですよね。親を殺すというのはどういう気持ちなのか、殺した事が無いからわからないけど相当苦しいことに違いないでしょう。親のせいともいえる。だから親鸞聖人が「あなたは悪くない」って言ったとしたら、黒面法師は「ああ、許されるんだ。ありがたい」って思うのかな~~~~?と我々は思うんですけど、

親殺しの悪人は

「十悪五逆の人間は地獄行です」

と、自分にダメ出しするんですよね。ダメ出しできる人の頭の良さというか、メンタルの強さというか、結局悪人が一番、本来の既存の善人のための仏教に一番むいてる…????というこの悪人の為の親鸞さんが救いたかった人が、いちばん救えなかった悪人というこの物語の壮絶な悲しみに、私はいまだに何回か読み返しては悪人ってルールについてほんとに厳しい人なのかもしれないな~と思います。でもダメ出しする人がいなくなったら、悪人ばかりになっちゃうんじゃ?と思いますから、自分の悪にもダメ出しできる十悪五逆の悪人みたいな人も、やっぱり必要で、絶対救われるべきだよな、と思いますけど、黒面法師さんは自分が自分を一番許してないという、大悪人なのに、めちゃくちゃ善人で聖なる苦行僧侶みたいな、凄い矛盾な人で、興味深かったんですよね。悪い人のほうが、なんかすごく面白いというか、悪人こそ善人の為にきっちりルール守ってるというか、そんなん私って好きと思っちゃう。めっちゃ善人に都合がよすぎる。善人が普通できない言えないダメ出しを、悪人がしてくれてる…それが悪人…!悪人こそやりたい放題なんかとおもいきや、悪人なりに自滅的に苦しんでいるというのも、本当に愛しい存在でしかないですね。

宝島夫婦殺害
 現代では、昔ほど即打ち首とかいう法律じゃなくて、娘さんの人権とか守られるし、反省の時間も与えられるでしょうから、本当に現代って命に優しい時代ですよね。親鸞聖人の教えも、鎌倉時代に比べて普及し、悪人も救われるんだという意識が日本には大流行していると思う。だからきっと宝島夫婦の娘さんも、「大丈夫だ」と安心して生きていける日がきっと訪れるでしょう。きちんと逮捕されて、反省の機会を与えられているのだし。そういう更生プログラムも刑務所にあるだろうし。そしてでてきた時には立派な人として幸せに生きていけるに違いない。昔だったら即刻刀で首切られてただろうに。現代の、親鸞聖人がまいた種によって、またひとつ命が救われていくという事なんでしょう。そう思えば、やっぱり親鸞聖人は凄い偉業をなしているといえる。死んでからも人を救える人もいれば、生きてる間に両親を殺す人もいる。人間って、人間っていう生き物は、本当に様々で、なんて不思議なことを成し遂げる生き物なんだ…と興味は尽きません。




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