映画キルビルを見た日①YELLOWHEAD
- カテゴリ:映画
- 2024/12/19 01:40:53
キルビル見た。面白かった…。大人向けだった。子供が見ても面白くないとは思うけど、若い時に見る映画なのかもなという気もした。二十代から上におススメという映画だったかな。今見ても面白かった。大人の私は最後で爆笑してしまった。
キルビルの面白さその1
出てくる女性が美人。
全員美人。もちろんユマサーマン様が一番美人なんですけども、黒髪日本女子高生の栗山様も、ブロンド美女に負けずあやしくお美しい!英語訳では、主人公のブライドは、「YELLOWHEAD」と服部半蔵に言われていた。金髪ってYELLOWHEADって言う言い方もあるんだな~と勉強になった。
その2
独特のユーモアが満載。
これをユーモアととらえるか、崇高な作品づくりから逃げているととらえるかは人次第だと思うけれども、そもそも任侠チャンバラ映画。外道描写満載。そこに散りばめられるギャグは、ギャグでありながら、もはや僧侶のお経のごとき安心感。不要といえば不要だけど絶対必要な気がするというアクセントだった。
その3
真面目な人が見ると、勉強になる。
この映画が流行ってた頃、「面白い映画!」ともてはやされていた。当時大流行中の頃、真面目で若かった私は、「こんな暴力的な映画なんて、自分とは関係ない」と思って、見てなかった。自分は暴力描写のある映画面白いと思わないと思ってた。そんな少女の私も大きくなって今や人に「面白すぎるよ」と言う大人になったんだな~と思うと、なんだかしみじみする。そして、過去の真面目な自分に言いたい。真面目な人こそ、こういう映画みて勉強したほうがいいんじゃないかなと。自分と無関係と思ってる人が一番詐欺にあいやすい、みたいなのと同じで、そういう人と関係ないと思ってる人こそ勉強したほうがいいものってあると思うんだよな。
その4
音楽のおそるべき魅力
挿入歌が、もうこれ以上ないっていうほど作品の表現を底上げしている。音楽が絶妙にストーリーにシンクロしているあの没入感というのか。表現力。まるで、シェイクスピアの単純な構文が、人の心を絶対的に惑わせるかのような。暴力的な音楽のいれかた!そう、あの映画は、音楽の映画なのだ!!(笑)これ、本当の情報過ぎて大丈夫かな(笑)と思った。
演劇の神様がつくったみたいな、そんなシーン構成と音楽と俳優陣の魅力。すごかった。暴力的なシーンよりも暴力的な音楽の持つ力が宿った、音楽の神様のつくったかのような、あの音楽の入れ方こそ、私が一番面白かったとおもったポイントだった。
その5
任侠映画なのだけど、主人公が謎に理性的
大体において、暴力的な映画って、主人公が啖呵を切ったりキレたりするんだけど、キルビルの主人公はなんだか暴力的っていうよりも、不思議系、不思議ちゃんという感じがするんですよね。主人公が不思議ちゃんの任侠映画なんです。そういう任侠映画はあんまり無い気がする。主人公よりも、オーレンイシイというライバル役の人のほうが、主人公感満載。かっこよくて強くて怖い極道らしい極道!という感じがしました。そういういかにも任侠、これぞ任侠という主人公じゃない主人公が、外道を一掃していくというのは、任侠映画のよくあるスタイルではないし、ジャンルでいうと任侠映画かと思っていたけど、単純に「アクション洋画」とうジャンルになるんだな~という気がしました。確かに。主人公の不思議っぽさが、任侠映画自分と関係ないと思っている私にもするりと飲み込めた気がします。
その6
沖縄産日本刀を主人公が使ってた。
この映画をなぜ見ようと思ったかというと、「主人公がラスボス倒す時に使う日本刀が、沖縄の刀」なんです…。この情報を見て、「え…どういう事!」と、この映画を見ようと思いました。この主人公が、ラスボスを倒すのに、絶対に必要だと思って沖縄にいる服部半蔵という人物から長いこと待って日本刀を受けとり、その刀を使ってラスボス倒すんですよね…。その刀の描写をしたいと思った。
→キルビルにでてくる日本刀
いっぱい作ってる半蔵さんですけども、どうやら武器を作る事に罪悪感や後悔を抱いている。けれどもお美しい大天使ブライドにどうしてもと頼まれ仕方なく武器を作った。その刀の鞘と柄は、真っ黒。黒刀に見えます!もうこの時点で私のテンションは爆上がり。沖縄産黒刀!しかし、鞘から抜くとその刀身は、なんとプラチナホワイトの美しい白刃!銀色に光る!最高に美しい!最高にbeautiful!しかもその白刃には、波紋があまりない!私の最高に大好きな、すぐは!!もう、ぬっそりと半蔵が黒鞘からその刀身を抜いた時のあの興奮は、映画の中でも最高潮だった…。あの美しい刀ならば、勝ち確定だなと思った瞬間だった。刀には飾り彫りのシーサー!沖縄感でてた!シーサーというのは、沖縄の獅子の魔除けの象徴。つまりその刀は「魔を滅する」刀なんでしょうか。その刀を腰にはささず、鞘にあまり納めず、抜き身のままでよく持っていたユマサーマン様。あの刀の鞘も、私には魅力だったんだけども、映画的には抜き身のほうが画が迫力あったのでしょう。侍みたいに腰に差さなかったけれども、そこがキルビルの、チャンバラ映画とも違うカッコイイ点だった気がする。あの映画は、チャンバラ任侠映画とみせかけている、真面目な人へ社会勉強をさせる学習動画だと思った。
その7
ラストにそんな感じで
ラストまでの独特なかっこよさの演出からの、あのラストのラスボスの倒し方は、ちょっと酷い。本当に酷い(笑)残酷(笑)その残酷さがすごく大人向け(笑)と思った。でもなんていうのかな…主人公の雰囲気が、どっか暴力的な人とはかけ離れたものがあるんですよね。キルビルって。最初っから子供の前では…とか、本当はだれもあやめたくなんて無い…みたいな。そういう事を言う主人公。結果的に残忍なのに、それは全くの不本意だ~というキャラクターが出てくるんですよね。そういうやってる事残酷なのに、妙に優しい人が主人公ならば、あのラストはそうなるかもな~…というラストだった。ラストのラスボスも、「沖縄の刀だと…???」
と、沖縄の刀という事に驚いていたけれども、この映画で、「おきなわのかたな」という事が凄く面白く、重要で、普遍的にカッコイイものがあるんじゃないかと思った。沖縄の歴史や日本文化等を知っていると、「沖縄の刀」というものが、いかなるものか、脳みそがひっかきまわされる知的快感があります。
いや~。この映画はつまり、短くまとめると、「YELLOWHEADが沖縄の刀で東京ヤクザを倒す映画」ですね。面白かった…。そして残酷だった。でもそんな残酷な世界は、全てがフィクションではなく、本当の現実世界を模して造られているというのを、真面目な人ほど知っておくべきなんじゃないのか?と私は思いますよ。