Nicotto Town



日本百名山 ~ BSプレミアム ~ ④


こんばんは!30日(金)は、西日本から北日本で晴れるでしょう。

ただ関東は雲が広がる所がある見込みです。
南西諸島は、南大東島で午前中を中心に雨の他は、晴れるでしょう。

初夏の花々
氷河期の生き残り
火山の造形

            花咲き誇る 北の〝火の山”
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                十勝岳

○登山ガイド 佐々木翔平さん

北海道に生まれ育った佐々木翔平さん。
十勝岳はホームグラウンドの一つ。
夏山から冬の山スキーまで、その魅力を知り尽くしています。

*撮影:6月下旬

前回は足元にイワウメが咲いているところまでの紹介でした。
今回はいよいよ十勝岳山頂を目指します。

<山旅スケッチ>
 十勝岳 山の恵み

○十勝岳 山の恵み

十勝岳の麓、美瑛町。

○美瑛町

ゆったりと波打つように丘が続く景色で知られています。
その丘は十勝岳が生まれる遥か前から繰り返された火山活動が生んだもの。
火山灰などで出来た台地が浸食され、独特の景観が生まれました。
地形を生かし、牧畜も盛ん。
この牧場では2009年から乳牛を飼育しています。
牛舎ではなく丘で放牧。
マイナス30度にもなる真冬でも。

○牧場責任者 越智勇太さん

「十勝岳と共に形成されたこの緩やかな岳は、牛達の適度な運動にもなって、
 ストレスフリーな環境にはなっているんじゃないでしょうか?
 健康な牛から搾った牛乳は本当に全然質の違うものになっています」

その健康な牛から搾った牛乳。

2年前からチーズも作り始めました。
十勝岳の恵み、う~ん、美味しそ~う。

この雄大な台地が特産品を生み出しているんです。

歩き始めて2時間

○美瑛岳(2052m)

「標高は2052m、美瑛岳到着です。
 お疲れ様でした」

やった~、今回最初のピーク。

「こちらをご覧くださ~い」

わぁ~、遠くの山まで見渡せる~。

○大雪山(旭岳)

「左から大雪山」

北海道で一番高い山ですね~。

「真ん中にはトムラウシが見えてますね」

百名山の一つトムラウシ山。

○トムラウシ山

「この右には東大雪の山々が見えています」

○石狩岳

ほ~んと、雄大な眺め。

○ニペソツ山

「見てください、十勝だけがドーンと見えてますよ」

あれが目指す十勝岳か~。

○十勝岳

「十勝岳は何度も噴火を繰り返していて、幾つもの噴火口があります」

確かにクレーターみたい穴が幾つも。
煙も上がっている。

迫力~。

北の大地のど真ん中、聳える十勝岳。

美瑛岳から稜線を縦走。
二つの山を越えて十勝岳へ。

「ここからはガラッと変わって、火山の荒涼とした景色が広がるようになります」

岩だらけ、荒々しい景色になってきた。

「ちょっと後ろを振り返ってみてください」

う~、凄い、切れ落ちている~。

「美瑛岳の爆裂火口です。
 物凄いパワーの噴火があって、山が吹き飛んだ跡ですね」

こ~んなに大きく山を吹き飛ばす噴火があったのか~。
自然の力って凄いな~。

火山の世界を進んで行く。

ギザギザの山、何か格好いい。

「そうですよね~、鋸岳(のこぎりだけ)といいます」

○鋸岳

「鋸岳の向こうに火口が見えるのでお楽しみに」

期待しま~す。

植物が全く見られなくなった。

美瑛岳までの道のりとは大違い。

「美瑛岳は十数年前までは火山活動していた山なので
 深い森や高山植物に覆われています。
 十勝岳は今現在も火山活動をしているので、
 あまり植物が根付いていないんですね。
 それだけ十勝岳は新しい山なんです」

十勝岳は昭和の半ばにも大噴火したそうです。

「鋸岳の河口の縁に着きましたよ。
 ご覧ください、巨大な噴火口です」

わぁ~、ほんとに大きな火口~、壮大な光景。

「次はあの平ヶ岳(ひらがたけ)登って行きます。
 あの縞々の山ですね」

○平ヶ岳

面白い模様、幾筋も縞模様が走っている。

「堆積した火山灰が風雨で削られて溝になってますね」

へぇ~、そうなんだ~。

縞模様の斜面を登って行くと、確かに溝になっている。
こうやって削られていくんだ。

○平ヶ岳(2008m)

「はい、平ヶ岳山頂です。
 そして、向こうを見てください。
 十勝岳山頂です」

もうひと踏ん張り。

出発して4時間半

○十勝岳(2077m)

「標高2077m、十勝岳山頂です。
 長い距離歩いて来ましたね。
 お疲れ様でした」

ありがとうございました。

「美瑛岳見えてますね」

荒々しい姿を見せる美瑛岳。

○美瑛岳

あそこから歩いて来たんだ~?

「足元を見てください」

あっ、凄い噴煙。
正に北の大地に聳える火の山だ。

○登山ガイド 佐々木翔平さん

「十勝岳の大好きな所は何といっても
 地球でやっぱり生きてるな~っていうのを
 目で見て、耳で聞いて、鼻で感じて、〝地球凄いな~”っていうのを
 感じることが出来るのが一番の魅力かなと思ってます。
 凄く大事にしている山の一つです。
 まぁそういう道に進もうっていうきっかけになった
 一つの山かなと思っています。
 十勝岳は大好きな山ですね、はい」

大きな大きな北海道の真ん中に聳える十勝岳。
雄大で力強い自然を満喫した山旅でした。

旭川駅から車で1時間程、登山口は美瑛町の森の中でした。
美瑛富士登山口で佐々木さんと待ち合わせでした。
まずは美瑛岳は火山ですので気象庁のホームページを見てチェックをしました。
午前7時スタートでした。
白い木が目立ちまして、白い幹が綺麗な森でした。
その白い木とはダケカンバでシラカバも少し混ざっていました。
しばらく進みますと針葉樹のアカエゾマツ、トドマツが生えていました。
そして深い森を進んで行きますと苔がびっしりでした。
ムラサキヤシオという躑躅(ツツジ)の仲間が緑濃い森の中に
鮮やかなピンク色を咲かしていまして美しかったです。
歩き始めて2時間、周りの木が低くなってきました。
低いアカエゾマツとハイマツの森になってきました。
ゴロゴロとした岩と松の天然庭園と呼ばれる場所でした。
そして低い松の間を縫うように進んで行きました。
しばらく行きますと雪が沢山出てきまして、この雪渓を渡って行きました。
雪渓を越えますと、白い綺麗なキバナシャクナゲが咲いていました。
歩き始めて4時間半、稜線の小屋に到着でした。
美瑛富士避難小屋という所ですが、近くの場所でテント泊でした。
テントの周りにはナキウサギがいて可愛かったです。

二日目の翌朝、ハイマツに覆われた道を進みました。
しばらく進みますと大きな雪渓が出てきました。
今日一番の雪渓で斜度もありますので軽アイゼンを着けました。
ようやく雪渓を抜けますとエゾノツガザクラとチングルマ、
そしてイワウメが咲いていました。
このような様々な植物が育つ環境の山がいつまでも残って欲しいと感じました。








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